リンクが手掛けるケア・フレグランスブランド「リンクオリジナルメーカーズ(LINC ORIGINAL MAKERS)」は11月4日(現地時間)、米ニューヨーク・ブルックリンに初の海外旗艦店を出店し、同時に米国公式ECサイトを開設した。同日に行われたオープニングレセプションには、多くの在住日本人や業界人が駆けつけた。
出店地には近年多くのファッション・ビューティブランドが出店することでも注目されるブルックリン区ウィリアムズバーグを選んだ。大きな窓から日が降り注ぐ角地に構えた店舗の内装は、他の店舗同様にインテリアデザイナーの小粥(こがい)正則氏が手掛けた。1940年代にイタリアで誕生した「スティルノボ(STILNOVO)」の照明や高級家具に使用されるチェリー材、特注のキャビネットなどの什器を採用し、アンティーク調のデザインで統一。あえて和の要素は取り入れず、東欧の雰囲気をまとったブランドが体現する世界観を踏襲した。また、日本の店舗にはないディスプレースペースや、外の通りからも見えるように両面陳列を可能にしたL字のキャビネットを設置することで、 “魅せる”空間作りに注力したという。
日本ではヘアケア商材が人気だが、エントランスエリアはフレグランスやホームフレグランス商品を陳列。ニューヨーク店の八田拓也マネージャーはその意図について、「昨年NY NOW(北米最大の見本市)に出展した際、バイヤーからはヘアスタイリング商材よりもフレグランス商材により興味を持たれた。特にルームミストは、米国にはない柔らかい香りだと評判で、フレグランス商品を前面に押し出していくことがニューヨーカーの心を掴むと考えた」と話す。店内には、人気の火付け役となったスタイリング剤の“ヘアバーム”(全2種、各70g、各45ドル=約6800円)や“リップバーム”(全2種、各12g、各28ドル=約4200円)、“オードパルファン”(全10種、各50mL、各180ドル=約2万7500円)、今年1月に発売した“インセンスペーパー”(25枚、52ドル=約7900円)、“インセンスホルダー”(98ドル=1万4900円)など、フルラインアップをそろえる。ただし日本で11月8日にローンチするブランド初のスキンケアラインは、来年以降の取り扱いとなる。
実店舗、EC、卸売の3つを軸に攻勢をかける
同社の中村祐哉社長兼最高経営責任者(CEO)は、「まずはわれわれのブランドを知ってもらうことが重要。直営店、Eコマース、卸売を同時にスタートし、日本で築いてきたブランド価値を落とすことなく認知度を高めていく。世界の中心であるニューヨークで勝負し、手応えを感じればいずれは欧米にも進出していきたい」とコメント。日本で成功している美容室への卸業も視野に入れ、3年で売上高100万ドル(約1億5000万円)を目指すという。
世田谷で生まれた「リンクオリジナルメーカーズ」
「リンクオリジナルメーカーズ」は、2016年に東京・世田谷で創業した国産コスメブランドだ。ユニセックスのヘアケア、ボディーケア、フレグランス、ホームフレグランス商品を展開し、“末長く愛される必需品”をコンセプトに、“100年前のヨーロッパにある昔ながらの調剤薬局”という架空の設定を表現した情緒あるレトロなロゴやラベルが特徴。17年に“ヘアバーム”と“ヘアオイル”をサロン専売で販売開始後、“アロマキャンドル”や“ブレンデッドディフューザー”などがブランドのシグネチャーアイテムに成長した。また19年に“オードパルファン”を発売すると、“ヘアバーム” と共通のアロマである“No. 997”のセンシュアルで独創的な香りが話題を呼んだ。ニューヨーク店は今年オープンした伊勢丹新宿メンズ館、大阪・堀江店に続く6店舗目。今月下旬には7店舗目となる二子玉川店オープンを予定しており、勢いをますます加速させている。