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花王傘下「モルトンブラウン」アジア売上高は「4年で4倍」に成長 表参道を新戦略拠点に

花王傘下の英「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」は15日、東京・表参道の「ヴァルカナイズ・ロンドン 青山」の改装オープンに合わせ、同施設内のショップインショップを増床した。

BLBGが運営する「ヴァルカナイズ・ロンドン 青山」は、“リトル・ロンドン”をテーマに英国のファッションや食、音楽などのカルチャーを集積した3層のキュレーション型施設に生まれ変わった。1階入り口の近くにショップを構える「モルトンブラウン」は、従来は壁面の棚の一部にとどまっていた展開をぐっと広げ、ハンドウォッシュやヘアケア、ボディーウオッシュなどをほぼフルラインアップで見せる。

バス&シャワージェル(300mL、3960円)の“ローズデューン”の香りなど日本における人気アイテムをそろえるほか、ブランドのシグニチャーアイテムでありながら国内で認知の低いフレグランスは、独立した什器に陳列して際立たせた。渋谷・表参道エリアを行き交う訪日客や感度の高い日本人客の取り込みも念頭にある。

“マムジーブランド”から脱却
日本でも若者層へ拡大注力


グローバルでは、若年層の獲得が課題となっている。顧客の高齢化が進み、本国の英国では「マムジーブランド」(中高年の女性向け)」にカテゴライズされることもある中で、ロンドンのカルチャーやムードを全面に打ち出した鮮度あるビジュアルプロモーションに力を入れている。モルトンブラウンジャパンの小島正也社長は、「英国のモノ作りや世界観に最も重きを置きながら、日本にあったローカライズ戦略も考えていきたい」と話す。日本国内では新丸ビル、玉川高島屋S・C、中日ビル(名古屋)、神戸BALでも展開しているが、今後は青山店を「ブランドのPR拠点」と位置付ける。

新丸ビル店では4月、フローリストの前田有紀氏と協業して、「モルトンブラウン」のスプリングフレグランスの香りをイメージしたブーケ制作のワークショップを実施し、好評を博した。青山のショップでも、施設3階の多目的スペースをイベントなどに活用しながら、消費者やメディアとの濃い接点を作る。ブランドコミュニケーションの担当者には、29歳と若い岩田敦紀氏を抜擢した。

「モルトンブラウン」は、花王グループの海外戦略における最重点ブランド“ファーストランナーブランド”の1つ。ブランドのアジア全体での売上高は「この4年で4倍程度」に成長しており、その7割を占めるのが日本で、次点が韓国。アジア展開を担うジャパン社はさらなる拡大戦略を進めるべく、エリアに合わせたMDのリクエストなども含め、今後は本国との連携をさらに強化していく方針だ。

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