小売業のDXでカギになるのがデータの活用だ。データ量こそグーグル(GOOGLE)やメタ(META)などの大手ITには及ばないものの、大型商業施設はショッピングや購買に特化した膨大なデータを所有している。経営戦略の中でデータをどう位置づけ、活用するのか。また、ネット、リアル店舗を融合した、次世代の店舗像とは?(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月18日号からの抜粋です)
リテールDXの最重要キーマン、
JFR執行役常務の林直孝氏が語る「未来の売り場」
林直孝/J.フロント リテイリング執行役常務 デジタル戦略統括部長
J.フロント リテイリング(JFR)でグループのデジタル戦略のヘッドクオーターであるデジタル戦略部のトップを務める林直孝・執行役常務は子会社のパルコ(PARCO)出身で、デジタルマーケティングやEC部門を渡り歩いてきた。パルコ時代から小売業におけるデジタル活用の本質を「カスタマージャーニー」と位置づけ、データ活用を探ってきた。大手小売業のリテールDXについて聞いた。
WWD:デジタル変革をどう進める?
林直孝J.フロント リテイリング執行役常務(以下、林):前提として当社グループは、北海道から九州まで主要な都市をカバーしており、かつ大阪や名古屋では百貨店とパルコが並んで存在しているという特徴がある。加えて、膨大なトラフィックもあり、大丸松坂屋百貨店とパルコを合計すると来客数は年間で3億人を超える。当然こうした大丸松坂屋とパルコの顧客データをどう生かすか、という話になっている。
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