クロスカンパニーは7月3日、今秋デビューの新ブランド「コエ(KOE)」をデベロッパーやプレス関係者にショー形式でお披露目した。「モード・フォー・エブリワン」をコンセプトに、ウィメンズ、メンズに加えキッズ(3〜6歳向け)、ジュニア(小学生〜高校生向け。150 �pまで)、マタニティの商品を用意する。また、サステナブル素材を中心に使い、エコレザー、エコファーを拡充している。「貧困地域の人にも先進国の人にも、ファッションを愛してやまない人々に向けたブランドにしたい。国際戦略ブランドとして、欧米ASEANに出店していく」と石川康晴クロスカンパニー社長。「ファストファッションからフェアファッションへ」を合言葉に、フェアサプライチェーンにより、サステナビリティと高品質を実現する。「我々は『トム ブラウンニューヨーク』や、アジアを中心に展開する『アース ミュージック&エコロジー』などで、25ヵ国・地域、1088店舗を展開している。世界から日本を見ていて、モードを日常着に落とし込む力は日本が一番優れていると思う。そんな背景を生かしたブランドを作りたい」とデザインにも力を入れる。「特にキッズではモードテイストの強い商品群はない。新しい親子のスタイリングを提案していく。30代と子ども、という組み合わせはもちろんのこと、50代の母と20代の娘といった組み合わせでも着てもらえたら」という。
プロモーションには歌手のChara(チャラ)と娘のSUMIRE(スミレ)を起用。「親子の垣根を越えて、友だちのような関係でもある。スミレさんには20代セクターの、チャラさんには30〜40代のオピニオンとなることを期待している」と石川社長。スミレの父は浅野忠信で、透明感と個性があり、4月から「装苑」の専属モデルも務める期待の若手だ。
1号店は9月26日、石川社長が生まれ育ち、クロスカンパニーが現在も本社を構える岡山にオープンする(岡山市北区中仙道1-33)。延床面積634�u、売り場面積523�uの平屋建ての路面店で、約50台分の駐車場を備える。初年度売上高は6億円を目指す。「僕のわがままで、自分と会社が生まれ育った岡山から、国際ブランドの1号店をスタートさせる。70万人の人口がおり、日本の都市部の標準としてテストマーケティングができる」と説明する。運営やMDの改善を図りながら多店舗化するとともに、3年以内に銀座、新宿、渋谷のいずれかに旗艦店をオープンする。5年以内に中国、米国、欧州に旗艦店を出店する形で海外進出したい考え。さらに、グローバル化を目指す資金調達のために、2016年度をメドに上場する予定だ。「経営者生命をかけている。まずは3年で売上高100億円を達成したい」と石川社長。ブランドの背景を伝えるためにも、世界観を出すためにも、従来の自社eコマースサイト「クロスコレクション」とは別に、単独のプラットフォームを作る。