LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、ワイン&スピリッツ部門の新たな社長兼最高経営責任者(CEO)として、ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)LVMH最高財務責任者(CFO)を任命した。また、同部門の副CEOには、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの次男であるアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー プロダクトおよびコミュニケーション部門 エグゼクティブ・バイス・プレジデントを任命。いずれも、2025年2月1日付で就任する。
ギヨニーCFOの後任には、セシル・カバニス(Cecile Cabanis)財務部長代理が同日付で昇格する。社外から6月10日付で現職に就任した同氏は、いずれギヨニーCFOの役職を引き継ぐことが当初より明らかにされていた。
ワイン&スピリッツ部門は、「ヘネシー(HENNESSY)」「モエ・エ・シャンドン(MOET & CHANDON)」「ドン ペリニヨン(DOM PERIGNON)」などを含む27のブランドを擁する。21年にわたってLVMHのさまざまな要職を歴任し、17年から同部門を率いてきたフィリップ・シャウス(Philippe Schaus)会長兼CEOは、「経営幹部ではない、新たな役割にフォーカスすることを決断した」という。25年上半期は業務の引き継ぎなどを行い、新体制をサポートする。
傘下の「ヘネシー」でも人事異動
また、18年から24年10月までクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)に在籍していたシャルル・ドゥラパルム(Charles Delapalme)前マネージング・ディレクターは、ヘネシーの社長兼CEOに就任する。同氏の後任には、プラダ グループ(PRADA GROUP)が擁するミュウミュウ(MIU MIU)で以前CEOを務めていたベネデッタ・ペトルッツォ(Benedetta Petruzzo)新マネージング・ディレクターが10月15日付で着任している。
現在ヘネシーを率いているローラン・ボワロ(Laurent Boillot)CEOは、業務の引き継ぎ後、グループ内で新たな役職に就くという。
ワイン&スピリッツ部門の業績について
大幅な人事刷新となったワイン&スピリッツ部門だが、業績は芳しくない。主に中国市場における高級酒の需要が減速していることから、24年1~6月期(上半期)決算の売上高は、前年同期比同11.7%減の28億700万ユーロ(約4547億円)だった。また、来年1月半ばにはドナルド・トランプ(Donald Trump)米次期大統領が就任するため、米国に輸出する際の関税の引き上げも懸念事項の一つとしてあるなど、厳しい船出となりそうだ。
人事部門でも異動
LVMHでは最近、人事部門でも動きがあった。07年に人事部門ディレクターとしてLVMHに入社し、その後昇格したシャンタル・ガンペルレ(Chantal Gaemperle)人事・シナジー部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、11月13日に退任を発表。後任として、LVMHのさまざまな人事部門で働いてきたモード・アルバレス・ペレール(Maud Alvarez-Pereyre)=チーフ・ピープル&トランスフォーメーション・オフィサーが12月1日付で就任する。