化粧品専門店業界が大きな転換期を迎えている。「石を投げれば当たる」と言われていた全国の化粧品専門店の数は、業界筋によるとピーク時の8割まで減少。経営者の高齢化や後継者不足が深刻な上、顧客ニーズに応えられず閉店に追い込まれる店舗も多い。コロナの影響も淘汰を加速させた。こうした背景には、商業施設側の厳しい選別も影響している。化粧品専門店はショッピングセンターや駅ビルの出店が数多いが「時代にあった新しい売り場を提案できない化粧品専門店はデベロッパーから見切りをつけられている」と厳しい声も聞こえる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
化粧品専門店同士の競争が激化する中、有力店では独自の売り場にさらに磨きをかけて、新たな需要を掘り起こす取り組みが活発化している。仙台の粧苑すきやの「パフューマリースキヤ(PERFUMERIE SUKIYA)」は、都内百貨店をも凌駕する700種類以上のフレグランスをそろえ、圧倒的な武器となっている。仙台の香りの聖地となり、店頭には若年層を中心とした買い物客がひっきりなしに訪れ、活況を呈している。
東海エリアで圧倒的な地位を確立しているくわこやは、これまで“化粧品専門店の概念”にはなかったという男性客の取り込みに力を注ぐ。店内の一等地に男性向けコスメ専用コーナーを大幅に設け、認知度を拡大。男性客が増え、売り上げシェアも順調に広げている。松本の田立屋も男性客の開拓を狙い、資生堂の協力のもとメンズビューティ企画のイベントを実施。男性の美容に対する潜在的なニーズを刺激し、関心を高める試みとして注目を集めた。その成功を受けて「身だしなみメンズメイク」を有料メニューとして導入。会社員を中心に予約が増えているという。
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