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盛岡の百貨店「川徳」 ローカルで勝ち抜く策

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岩手県唯一の百貨店、川徳(盛岡市)が生き残りをかけた改革に取り組んでいる。1990年代にはサテライト店舗を含めて300億円前後あった売上高は、コロナ前に約200億円、24年2月期は160億円まで縮んだ。現在は中小企業支援の官民ファンドのもと、新会社で21年ぶりの大型改装を進める。にぎわいは取り戻せるのか。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月25日号からの抜粋です)

午前10時の開店と同時に、待機していた大勢の客が店内になだれ込んだ。11月15日、川徳の年間最大の催事である“えびす講”が幕を開けた。

えびす講は、岩手県では戦前から川徳の大売り出しの日として定着している。この日も平日午前にもかかわらず、店内は人であふれ、駐車場も満車になった。売り上げは正月の初売りを上回る。

20〜40代の女性獲得に注力

えびす講は変わらぬにぎわいを見せるが、川徳は現在、再建の真っただ中にある。業績不振が続き、23年4月に中小企業支援の官民ファンドであるルネッサンスキャピタル(東京)が出資する新会社に移行した。新体制下でおよそ21年ぶりの大型改装に着手した。23年から25年にかけて全館の3割に手を入れる。

昨年6月、屋上に人工芝の多目的広場「ソラバ」を整備し、ビアガーデンやマルシェなど老若男女が集まる空間にした。これを皮切りにアウトドア用品の編集売り場「ピープス」を作り、外商サロンも新設した。

最大の課題はファッションだった。20〜40代の女性が求める商品がごっそり抜け落ちていた。

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