「ユニクロ」は10月15日、フリース発売20周年を記念して「1000人"未来への声"プロジェクト」をスタートする。同プロジェクトでは過去に「ユニクロ」のフリースのテレビCM、プロモーションに出演経験のあるミュージシャンの山崎まさよし、トータス松本、女優の杏ら8人をアンバサダーとして起用したCMを制作。CMの演出は放送作家の鈴木おさむが務める。8人のアンバサダーに加え、テニスプレイヤーの錦織圭や一般人を含めた様々なバックグラウンドを持つ1000人のメッセージを新聞広告や特設ウェブサイトで公開する。ウェブサイトは15日に公開し、CMは17日から全国で放映し、新聞広告は31日掲載する。
今秋から販売を開始するフリースは、機能性とファッション性を強化する。機能性の強化については、蓄熱保温機能を持つ特殊糸を用いることで、1.5℃の保温性を実現。また、特殊フィルムをフリースの裏地と表地の間に挟み、防風性を高めるという。ファッション性の強化については、フリースだけでコーディネートが完成する新コンセプトの商品や、布帛素材を組み合わせた商品を販売する。また、アンダーカバーとのコラボレーションラインである「UU」をキッズ向けに復活させ、フリースを含む計14アイテムを展開する。
フリース発売20周年を記念した記者発表会で、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は「フリースはわが社の過去であり、現在であり、未来だ。先日『リテーラー・オブ・ザ・イヤー(世界最優秀小売企業賞)』を受賞したが、グローバルブランドとしての原点を作ったのはフリース。今までにない新しい価値を持った服をグループ全体で打ち出していきたい」とコメント。フリースのヒットの理由について「かつてフリースはアウトドア向け商品だと思われていた。しかし先入観や偏見をなくし、服そのものを見直すことでカジュアルウエアとして生まれ変わった」と語った。中嶋修一ファーストリテイリンググループ上席執行役員は「フリースは20年間で累計3億枚を販売してきた。20周年を迎える今年はピーク時よりも1000万枚多く販売することを目標にしている。フリースは毎年進化しており、世界中で愛用されている。フリースは『ユニクロ』そのものだ」とコメントした。