向千鶴 (むこう・ちづる)/「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクター(左) プロフィール
神奈川県出身。大学卒業後、エドウインの営業職、日本繊維新聞社で記者職を経験後、2001年にINFASパブリケーションズに入社。「ファッションニュース」「WWDジャパン」編集長などを経て、21年に「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクターに就任する。24年8月に独立後も同職を継続しながら、ファッション産業とサステナビリティをつなぐプロジェクト「クレイン&ロータス」を立ち上げた
児島幹規(こじま・みきのり)/インターメスティックCDO、大阪文化服装学院特別教員(中央)プロフィール
1968年生まれ、岐阜県出身。学生時代に編集アシスタントを経験後、92年に世界文化社入社。同年「ビギン」編集部に配属となり、2004年に同編集長に就任した。09年「メンズ・イーエックス」編集長、13年に文化出版局 出版事業部長兼「装苑」編集長を歴任した。24年7月に「ゾフ」を運営するインターメスティックCDO、ならびに大阪文化服装学院特別教員に就任
塚本香(つかもと・かおり)ファッションジャーナリスト、エディトリアルディレクター(右)プロフィール
広島県出身。上智大学外国語学部フランス語学科卒業後、世界文化社に入社。退社後、フリーランスエディターを経て、創刊3号目から「フィガロジャポン」編集部に所属、1995年に副編集長に就く。2000年に「ヴォーグ ジャパン」に移り、03年に「フィガロジャポン」に復帰後は編集長を6年間務めた。12年「エル・ジャポン」編集長、15年「ハーパーズ バザー」編集長を歴任し、21年に退社し現在はフリーランスとして活動中
現在のメディア界は、紙からオンラインまでさまざまな媒体が群雄割拠している。その中から頭一つ抜けた“ナンバーワン”を目指すことは簡単ではない。ここでは、ファッションメディアの編集長を務めた後、現在は独立して新たなフィールドで活躍する3人が登場。児島幹規と塚本香、向千鶴が、俯瞰した立場の今だからこそ語り合える、現在のメディアに必要なものとは?
向千鶴(以下、向):昨今のメディアをどう見ますか?
塚本香(以下、塚本):メディアはますます細分化され、内容がよりディープになっていると感じます。限られたコミュニティーに向けて発信する媒体や、ジャンルを特化した媒体も増えていますね。雑誌は刊行回数が減ったからこそ、1冊のクオリティーがさらに求められる時代になりました。
児島幹規(以下、児島):「個人がメディアになれる時代が来た」とよく言われますが、僕は個人が情報源であることは昔から変わらないと思うんです。その対象と媒体のキャラクターをうまく絡めながら、読者に明確なメッセージを発信することが雑誌の役割でした。それが今は、媒体を介さなくても個人が情報発信できるようになったことが、以前との大きな違いかなと。どの情報を拾ってどうまとめるかという編集者ならではの視点が、改めて見直されていると感じます。
媒体の守るべきコア(核)を
見いだしているか
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