林真吾/レオン・インターナショナル社長
OEM・ODMの専門会社の中でも、面白い動きを見せているのがレオン・インターナショナル(東京、林真吾社長)だ。若手社員が中心となって3DCGのノウハウを磨き、取引先ブランドのバーチャル展示会を生成・開催したり、AIモデルのルックブックの制作を請け負ったりと、「服を作る」以外の価値を創出。さらにはこの技術をメタバースファッションにも応用し、ゆくゆくはOEM・ODM事業とのシナジーをもくろむ。「僕らが目指すのはアパレル業界の究極の“便利屋”」と語る林社長にビジョンを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月2日号からの抜粋です)
LEON INTERNATIONAL レオン・インターナショナル
COMPANY PROFILE:縫製工場に勤務していた林社長が2010年、OEM事業をスピンアウトし、17年に設立。ウィメンズカジュアルを中心に取引先を広げ、現在の主要取引先はジーユー(GU)、ベイクルーズ(BAYCREW'S)、マッシュスタイルラボ(MASH STYLE LAB)、バロックジャパンリミテッド(BAROQUE JAPAN LIMITED)など。15年にアパレル3D装着シミュレーションシステム「CLO エンタープライズ」を全社で導入し、19年にパターン会社アイディアルを傘下に収めるなど、CLOを扱える技術者の育成に力を入れる。20年からは米ロス発のセレクトショップ「アメリカンラグシー(AMERICAN RAG CIE)」のライセンスを保有し日本事業を運営。社員数は60人(24年11月現在)
3DCGのノウハウを武器に
業界で唯一無二の“便利屋”へ
レオン・インターナショナルは、縫製工場に勤務しながら、OEMビジネスに商機を見出した林社長のもとで2010年に事業をスピンアウトし、17年に設立。ウィメンズカジュアルを中心に取引先を広げた。20年からは米ロス発のセレクトショップ「アメリカンラグシー」のライセンスを保有し、日本事業を運営している。
3DCGに力を入れ始めたのは15年。アパレルの3D装着シミュレーションシステム「CLO エンタープライズ(以下、CLO)」を全社で導入し、19年にパターン会社アイディアルを傘下に収めて、CLO技術者の育成を推進。OEM・ODM事業で蓄積してきた膨大なパターンデータを基に、3DCGで精巧なサンプルを再現できるようになった。これにより、OEM・ODMの工程において実物のサンプルを使った仕様のすり合わせの一部を画面上での確認に置き換えられるようになり、時間・金銭のコスト削減につながった。「実際には、CLOから吐き出されるパターンデータをそのまま使えるほど単純なものではない。最後は『人』がパターンを調整してリアルな服にする。そこが単なる専門業社とは一味違う、アパレルを長くやってきた僕たちのノウハウの見せどころだ」と林社長。
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