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「マイケル・コース」のCEOが退任 親会社の会長が再び兼任へ

マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)は11月26日、セドリック・ウィルモット(Cedric Wilmotte)=マイケル・コース最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。これに伴い、ジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOが同ブランドのCEOを兼任する。

ウィルモット前CEOは、1998年から2004年までダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)の、04年から08年までマーク ジェイコブス(MARC JACOBS)の要職を歴任。08年に、EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域社長としてマイケル・コースに入社した。22年3月にヴェルサーチェのジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)CEO(当時)が退任したことを受け、同年1月に同ブランドの暫定CEOに就任。その後、23年4月にマイケル・コースのCEOに就任した。

なお、カプリは21年8月に、現在はバーバリー(BURBERRY)のCEOを務めているジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)をマイケル・コースのCEOに任命している。同氏はいずれカプリのCEOに昇格する予定だったが、22年3月に退任。このため、ウィルモット前CEOが就任するまで、アイドル会長兼CEOがマイケル・コースのCEO職を兼任していた。なお、同氏はこれ以前にも同職を兼任していたことがある。

新たな最高製品責任者を任命

また、マイケル・コースのフィリッパ・ニューマン(Philippa Newman)=アクセサリー&フットウエア部門社長が、12月2日付でブランドの最高製品責任者(CPO)に昇格する。アイドル=カプリ会長兼CEO兼マイケル・コースCEOの直属となり、創業デザイナーであるマイケル・コース=チーフ・クリエイティブ・オフィサーと緊密に連携しつつ、マーチャンダイジング、ライセンス、生産、デザインなどを統括するという。

タペストリーによるカプリ買収は白紙に

カプリは23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)に85億ドル(約1兆3000億円)で事業を売却することに合意した。しかし、両社が保有するブランド間の競争がなくなることで独占状態になるとし、米連邦取引委員会(FTC)は本件を停止する仮処分を求めて4月に提訴。10月に米連邦地方裁判所がFTCの申し立てを認める判決を下したことから、11月に両社は買収契約を双方の合意の上で正式に解消した。

なお、この裁判ではアイドル会長兼CEOのほか、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリーCEOに加えて、ウィルモット前CEOも出廷。マイケル・コースの苦境に関するその赤裸々な証言が業界の耳目を集めた。

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