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連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第162回

家族経営は「継承」を自分ごと

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家族経営は「継承」を自分ごと

先日、「ロンシャン(LONGCHAMP)」のソフィ・ドゥラフォンテーヌ(Sophie Delafontaine)=アーティスティック・ディレクターを取材させていただきました。ブランドの3代目で、愛娘ジュリエットもすでに「ロンシャン」に入社しています。

今なお、創業一家が経営やクリエイションの指揮を執るブランドは、実はそんなに多くありません。ブランドを数多く抱えるLVMHでさえ、ファッション&レザーグッズ部門で言えば「フェンディ(FENDI)」くらい。「時代に合わない」とみなされ、体制の変更を迫られた企業やブランドが多かったのだろうと推察されます。

私も、一時期は「家族経営企業って、微妙だな」と思っていた時期がありました。経営でもクリエイションでも、家族経営の企業やブランドは、選択肢が限られます。選択肢は、基本的には多い方が良いと思うタイプです。実際、伝統的な家族の“しきたり”というか、トンマナに縛られているように見えた企業やブランドもありました。排他的に思える時もありました。だからこそ「●代目」という方々には、「家族経営のメリットって、なんですか?」と聞き続けています。今までで一番納得したのは、「カナーリ(CANALI)」ファミリーの言葉だったでしょうか?「必ず30歳くらい若い経営者やクリエイティブ・ディレクターに変わるから、新陳代謝が促される」というコメントには、「なるほど」と思った記憶があります。でも今考えれば、外部から人材を登用しても、新陳代謝はできるでしょうか(笑)?

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