テーマを設けず、トラッド&ベーシックなアイテムを現代風にブラッシュアップさせている。モノクロームのコートやシャツに、時折見せるブルー、ボルドーの色彩が映える。美しいショルダーラインや裏地にまでこだわったメンズライクな作り込みは、倉橋直実デザイナーが得意とするところ。さらに、シルク素材へプリントしたチェック柄や千鳥格子のアウターといった視覚的なアクセントをプラス。英国製のシャツ地以外は、日本国内で素材を調達し、縫製も国内で対応している。「ある程度、重さのあるシルエットが好き」と倉橋。以前から多くの支持を集めているトレンチコートやピーコートは、立体裁断をベースにした構築的なシルエットを引く。尾州の毛織物、山形のニッターといったモノ作りの基盤も固め、デザイナー自ら産地や工場に出向いてアイテム製作に関わっている。