ファッション

【スナップ】“黒シック”にはゴスミックスが好相性 東欧カルチャー新名所のスタイル提案

モルドバの首都キシナウで「モルドバン・ブランズ・ランウエイ(Moldovan Brands Runway)」が10月に開催された。モルドバでの唯一のファッションの祭典とあって、デザイナーやフォトグラファー、音楽関係者といった若いクリエイターが集まり、会期中の3日間は熱気に包まれた。

今季の来場者の装いは、以前のような強いコスチューム感から一転し、テーラード中心のクラシックなスタイルへと変化。古着で自作したオリジナルをまとうゲストが中心で、ほかにもモルドバを拠点とする「オーケーキノ(OK KINO)」や「バーバラ コレクション(BARBARA COLLECTION)」「サナット(SANNAT)」などの現地ブランドを着用する来場者もいた。多くがコルセットやレース、ランジェリーのディテールやチョーカーといったフェティッシュな要素を取り入れてフェミニニティーを強く押し出し、クラシックとゴシックを掛け合わせた。また、パリやミラノのランウエイと同様に、流動的なフレームのフューチャリスティックなアイウエアを合わせるのが新潮流だ。

昨今のモルドバでは、海外で経験を積んだ後に、将来的な経済成長を見越して母国へと帰ってくる若い世代も増えているという。加えて、2024年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のセミファイナリストに、モルドバ発「フィダン ノブルゾバ(FIDAN NOVRUZOVA)」が選出されるなど、ファッション界にも新たな才能が育ちつつある。ジョージア・トビリシやポーランド・ワルシャワのように、次世代のカルチャー発信源となる可能性は十分だ。

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