正直に言うと、メンズを担当していながら、テーラリングのミリ単位のルールを心から楽しるタイプではありませんでした。もちろん、ルールあっての仕立ての美しさであることは理解しています。ただ、あまりに点の部分に固執し、売りにしてしまうと、ただでさえ低くないテーラリングのハードルがさらに高くなり、スーツ離れの原因になりかねないのではないか――年に2回の紳士服見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」の取材ではたびたびそう感じていました。しかし、その懸念はケリング傘下のイタリアブランド「ブリオーニ(BRIONI)」のファクトリー取材によって鮮やかに打ち砕かれます。
渡伊の目的は、「ブリオーニ」が製造拠点の一つであるアブルッツォ州ペンネに開いたテーラリング学校「スクォーラ・ディ・アルタ・サルトリア・ナザレノ・フォンティコリ(Scuola di Alta Sartoria Nazareno Fonticoli)」の現地取材でした。学校の詳細はリポート記事として紹介予定なのですが、ツアーの一環として見学した、テーラリングのファクトリーにも感動したので紹介させてください。
1000年以上の歴史を継承する街
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