「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へのオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月25日号からの抜粋です。)
最近にわかに動き出したのが、ヘアケア市場。これまでコスメ業界とヘアケア業界は、ほとんど相入れない、別の業界のような距離感があり、それぞれが別の動きをしてきた。もっとはっきり言ってしまえば、コスメ界は加速度的に進化を続け、もはや医学に近い位置まで到達しているのに、ヘアケア市場はのんびり構えた印象があったのだ。とは言え1000円以下のシャンプーでも十分満足な艶髪になる日本のヘアケアの水準の高さは、やはり世界に誇れるものなのだろう。つまり低価格化が一つの進化のパターンとなってきたわけだが、異変のきっかけは「ボタニスト(BOTANIST)」などの中価格帯(1500円前後)のシャンプーの台頭。それならば、ということで化粧品レベルの研究開発を経て、今増えつつあるのが「テクノロジー系」ともいうべき新勢力なのである。
その共通点はドラッグコスメ市場で、テクノロジーを競ってきた化粧品メーカー。製薬会社でありながらドラッグコスメ市場で売り上げNo. 1を記録するなど、まさにその研究開発力で“勝ち組”となったロート製薬。そしてなんといってもドラコス市場で圧倒的な存在感を持ってきた花王。
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