スポーツ領域を担当している五十君副編集長は常々、「急成長しているメーカーは、本気でイノベーションに取り組んでいる。彼らは、もっと“より良い”シューズを作ることができ、それがアスリート、ひいては消費者の生活を変えると信じている」と力説してくれます。上で紹介する記事のような取材をしていると、そして、各社の急成長を目の当たりにしていると、そう考えるのは当然でしょう。もちろん、良いモノが必ず売れる時代ではありません。でも、良いモノでなければ(長く)売れることはありません。今のスニーカー市場は基本、「イノベイティブなブランドや商品」が制する状況にあり、十分にイノベイティブではなかった企業やブランドが停滞しているのだと思います。
そんなことを考えるたび、「スニーカー市場は、スキンケア市場と似ているなぁ」って思います。先日はスキンケアに傾倒しすぎてカラーコスメが“おざなり”になっている日本のメーカーに噛み付いてしまいましたが(苦笑)、一方で各社のスキンケアに関するイノベーションには毎回驚かされます。例えば、齋藤薫さんさえ舌を巻いた"ファンデ美容液”は、そもそも逆転の発想と言う時点でイノベイティブ。業界は長らく「ファンデーションにどのくらい美容成分を注入できるか?」を競っていたワケですが、"ファンデ美容液”は「美容液にファンデーション成分を入れることが出来ないか?」という視点から誕生しています。もちろん実現に際しては、これまたイノベイティブな技術を駆使したり、生み出したりしているのでしょうが、いずれにせよ"ファンデ美容液”は大ヒット。「シセイドウ(SHISEIDO)」の"エッセンス スキングロウ ファンデーション”はSNSで大きな話題になり、ブランドのベースメイク売り上げは3倍増と急成長しました。スニーカー市場同様、「イノベイティブなブランドや商品」が制したのです。
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