ファッション

「早くほんまもんになって」 コシノヒロコ監修の“子どものための”ファッション講座が集大成

東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京は12月1日、文化服装学院で「こどもファッションプロジェクト ファッションショー」を開催した。同イベントはデザイナーのコシノヒロコさん監修のもと、小学生から18歳までの子どもを対象に7月から開講してきたファッションアカデミー「こどもファッションプロジェクト」の集大成となるもの。

ファッションの世界に進みたい夢をもつ子どもを支援する目的で、同アカデミーを始めた。東京都芸術文化評議会のメンバーの一人がコシノヒロコさんだったことから、同氏のディレクションが実現。子どもたちはデザイナーや演出家、フォトグラファー、ビデオグラファー、スタイリスト、ヘアメイク、ファッションジャーナリスト、モデルの8つの職業のいずれかを選び、第一線で活躍するプロから指導を受けていた。講師は、コシノヒロコさんをはじめ、小篠ゆま「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」クリエイティブ・ディレクター、イベントプロデューサーの半田誠さん、写真家のZIGENさん、映像ディレクターの桑野徹さん、スタイリストの藤崎コウイチさん、ヘアメイクアップアーティストの鈴木節子さん、資生堂のトップヘアメイクアップアーティストの原田忠さん、ファッションジャーナリストの福田京子さん、モデルの清水沙也佳さんと松川エミリアさん。

「学校では考えられない経験を」
子どもが作り上げる舞台

ファッションショーは、小学生の子どもデザイナー10人によるランウエイショーで幕開け。会場のスクリーンに、彼らが描いたデザイン画を映しながら、実際に出来上がった衣装をまとった小学生モデルがウォーキングした。飛行機や魚のイラストをそのままプリントしたシャツや、折り紙の鶴やハートを模したモチーフをあしらったメタリックなティアードスカート、リボンのように身頃を包むトップスなどが登場した。

「ヒロココシノ」2024-25年秋冬コレクションを着用した18歳以下のモデルも、“カラフル”“モノトーン”“クチュール”など、テーマごとのスタイリングで堂々のウォーキングを披露した。舞台の下ではしゃがんでカメラを構える“子どもカメラマン”、フロントロウではショーの様子をメモする“子どもジャーナリスト”、舞台裏ではショーの演出や記録を手がける“子どもヘアメイクアップアーティスト”“子どもスタイリスト”、そのほか“子どもプロデューサー”“子どもビデオグラファー”が黒子として活躍した。

イベントを終え、コシノヒロコさんは「子どもの頃に感動した出来事は、大人になっても自分の中で残っているもの。学校では考えられない体験を子どもにさせることで、クリエイティブですばらしい人材を育てられたらうれしい。好きという思いが強ければ、苦しいことも必ず乗り越えられるはず。“ほんまもん”に早くなってほしい」とコメントした。デザイナーの仕事を体験した三浦世菜さん(8)は、「決まった布から服を作るのは難しいけど、絵を描くのが好きだから楽しかった」と感想を述べた。

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