半期に一回、コスメ好きの間で盛り上がるベストコスメ企画。本企画では各美容誌が発表するベストコスメ企画の見どころを探る。今回は美容誌のトップランナー「ヴォーチェ(VOCE)」の遠藤友子事業部長・編集長に話を聞いた。
「ヴォーチェ」ベストコスメを知る
「ヴォーチェ」のベストコスメとは?
メインの読者層であるアラサーの女性に合う新作コスメを、広告クライアントへの忖度は一切なしに、プロの目で選ぶ企画。スキンケアは何が最新知見で、コスメがどのように進化しているかが分かるように構成し、メイクは最新の色味や質感が分かるように色番まで指定して選考する。
2024年下半期の選者は?
選考委員は美容ジャーナリスト、ヘアメイク、美容ライター、美容家、本誌編集者など美容の専門家計64人。コスメの進化を見続けてきた、あらゆるコスメを試して手入れ法を伝え続けてきた、など長く蓄積された知見を持つ人を選者に選定した。また、メイク編の選考精度を上げるために、最先端のビジュアルを作り出しているヘアメイクにも依頼する。
ここが違う!「ヴォーチェ」のベストコスメ
日本の美容雑誌で初めてベストコスメを実施した「ヴォーチェ」は、「クライアントなどに一切忖度しないガチ選考」という伝統を持つ。1位受賞のアイテムを選出した後、さらに再投票し、1位の中の1位を選出する“二段階選考”も特徴の一つ。スキンケア編最優秀賞、優秀賞とメイク編最優秀賞、優秀賞を決めている。また、部門をアイテム別にして、読者が買いやすく探しやすいことを第一に考える。
「ヴォーチェ」ベストコスメの見どころ
WWD:2024年下半期ベストコスメの傾向で象徴的だった受賞商品は?
遠藤友子「ヴォーチェ」事業部長・編集長(以下、遠藤編集長):スキンケア編最優秀賞と先行美容液部門1位を獲得した「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」の“ル・セラムⅡ”。「肌は悪い刺激をブロックする力を持っている」という大発見は、新商品が出るたびに肌の可能性を信じさせてくれる同ブランドの真骨頂。最新知見、浸透のよさ、滑らかさをすぐに実感できる即効感、癒しの香りとテクスチャー……コスメに求める全てを兼ね備えた“王者の美容液”だ。
スキンケア編優秀賞と化粧水部門1位の「エスト(EST)」の“G.P セラムイン ローション”も注目。「同じ肌悩みを持っていても、人によって原因が違う」という真実に真っ向から向き合い、老化の要因を3つに集約、3種のパーソナライズ化粧水を生み出した。新生「エスト」は「本気で肌悩みを解決したい」というブランドの誠意の結晶!「スック(SUQQU)」ではメイク編最優秀賞、下地部門1位を受賞した“ザ プライマー”が、「肌ノイズを、“隠した感”なくカバーしたい」「艶は欲しいけれどテカりたくない」「品格が欲しい」というわがままな女性の願いを全てかなえてみせた。
WWD:2024年下半期の傾向は?
遠藤編集長:なんといっても美容液部門の激戦が印象的だった。名品のリニューアルが相次ぎ、それぞれに肌本来がもつ能力をパワーアップさせる機能が搭載している。「肌を元気にすることでエイジングをゆるやかにする」というアプローチがメインになった。また、コメ由来の発酵スキンケアが注目を浴びた。メイクはハイライト×青みのチークが豊作。血色感のあるベージュワントーンメイクがトレンドの顔になった。
WWD:「ヴォーチェ」のベスコスにまつわるエピソードは?
遠藤編集長:「ヴォーチェ」のベスコスの発表後から、売り上げが何倍にもなったという話はよく聞く。クライアント各社からは「『ヴォーチェ』のベストコスメが一番獲りづらい。だからこそ価値を感じる」という声もいただく。
WWD:来期以降のビューティ業界に期待することは?
遠藤編集長:美容好き読者が自分の可能性をもっと信じたくなるような、そして自分を好きになれるようなコスメの誕生に期待している。