情報筋によれば、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)は、保有するエトロ(ETRO)の株式の一部もしくは全てを売却することを検討しているようだ。
エトロは1968年にジェローラモ・エトロ(Gerolamo Etro)がテキスタイル会社として創業。80年代にはウエアやライフスタイル分野に手を広げ、香水やスーツケースも手掛けるようになった。長らく一族経営を続けていたが、2021年7月に株式の60%をLキャタルトンに売却。取引額は5億ユーロ(約790億円)程度だったといわれている。同年12月には、ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)やダンヒル(DUNHILL)などで要職を務めたファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)が最高経営責任者(CEO)に就任。クリエイティブ面でも、それまで率いてきた創業一族に代わり、22年6月にマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)がクリエイティブ・ディレクターに就任している。
「エトロ」は現在、世界でおよそ130店を運営。非上場のため決算は発表していないが、カルディナリCEOによれば、「24年の売上高は(前年と比べて)やや下回っているものの、利益は大幅に改善しており、黒字に転換できる見込みだ」という。
CEOは10月にうわさを否定
Lキャタルトンがエトロの持ち分の売却を検討しているのではないかという臆測は、以前から流れている。しかし、「エトロ」がトルコ・インスタブールにある高級マンションの内装を手掛けることを10月に発表した際、臆測について質問された同氏は、これを否定。また、今回の情報筋の話に関してはコメントを差し控えるとした。なお、カルディナリCEOはエトロの少数株主の一人。