ジェイソン・ウーがアーティスティック・ディレクターに就任して初となる「ボス(BOSS)」のウィメンズコレクションがニューヨークで披露された。
ブラック、ベージュ、グレーの静謐でエレガントなカラーをベースに、タキシードやカシミアの光沢感のあるオフィサーコートを提案。メンズライクなレースアップシューズやアンクルブーツにドクターバッグを合わせるコーディネートは、凛々しささえ感じる。ロングジャケットの上にさらに短いジャケットを羽織ったようなスーツスタイルは、濃淡のグレーのグラデーションになっており、新しいプロポーションバランスだ。一方、メンズのスーツ地で作る胸元があいたスリップドレスは、はっとするような女性らしさを感じさせる。
後半は、部分的に肌が透けて見えるドレスや、スパンコールが全面にあしらわれた淡いピンクのドレスなどを提案。夜のシーンは、より華やかでエレガントだ。スーツを得意とするブランドだけに、働く女性の一日のあらゆるシーンを連想させるワードローブの構成になっている。もともとドレスに定評があるウーだが、フィナーレをドレスではなく、シンプルで光沢のあるブラックスーツにしたのは、ウーのブランドへの意気込みを感じさせた。
メンズウエアの生地やテーラリングの技術など、「ボス」のDNAをウィメンズに落とし込みながら、優雅さと美しさを兼ね備えたコレクションは、次のシーズンへのさらなる期待を高めた。
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