パリ・メンズのトップバッターを飾ったのは、今季初となるメンズのランウェイショーを発表した「カルヴェン(CARVEN)」だ。舞台は大人の社交場であるビリヤードホール。カワイイ男子を印象付けていたコクーンシルエットや明るいカラーパレットは影を潜め、代わりに台頭したのはダークトーンのマスキュリンなテーラードだった。イノセントでキュートな"カルヴェン マン"を描いてきたギョーム・アンリは、ブランドの変換期を示唆するコレクションを披露した。
例えば、アウターのドロップショルダーは程良いコンケープドショルダーになり、スキニーフィットのクロップドパンツは股上の深いリラックスシルエットに変化した。スナップボタンのレザーシャツの肩にビッグサイズのチェスターコートをさらりとかけるスタイルも新鮮だ。これまでもアートの要素を洋服に取り入れてきたギョームは今季、ストリートアートのようなグラフィカル柄をプリントしてエッジを利かせている。
一方で、大きなぽんぽんが付いたニット帽を合わせたり、コートのラペルにトロンプルイユに見えるカラーブロックを施したりと、ブランドならではのキュートなギミックも健在。少し背伸びをしてダンディズムを身にまとったような等身大の男性像がうかがえた。
ショーでは、同時にウィメンズの14年プレフォールコレクションも発表。メンズと共生地で仕立てたフェミニンなフレアミニのワンピースなどで、柔らかさと芯の強さを両有するカルヴェン ウーマンがショーに華を添えた。