今シーズンの「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」はファーストルックから明らかに違っていた。大輪の花が散りばめられたモッズコートに幾何学模様のセットアップ、ハート柄のネクタイ、ストライプと迷彩柄が重なったシャツ。よくみるとシャツの襟は切り取られ、ジャケットのラペルはファスナーで分かれている。山本耀司は初となるプリントモチーフをすべてのルックに採用し、新たな挑戦の姿勢をコレクションにぶつけた。
モチーフデザインはすべて日本人アーティストによるもの。前半は、シックなテーラードをベースにしながら、ブランドらしいディテールのひねりやシルエットのバランスを追求した。オリエンタルなボタニカル柄をのせたビッグシルエットのチェスターコートに、さらに異なる花柄のセットアップや迷彩のカットソーを合わせるなど、プリントはいたるところにふんだんに使われている。
中盤はゴシックな雰囲気にシフト。スカルやスネークを花柄と一緒にレザーのピーコートに描いた。モチーフを際立たせるため、合わせたのはシックなメランジュのタートルニット。ボトムスはヘビ柄のワイドショーツだ。一見おどろおどろしいスカルは、よく見ると山本耀司を彷彿とさせるミディアムグレーのロングヘアー。思わずクスっと笑わせるウィットも効いている。後半は、目や手のモチーフといったシュールレアリズムを取り入れたグラフィカルなアートをのせたライダースなどが登場した。