昨年10月にパリ・クチュール組合(サンディカ)の正式会員となりパリメンズの公式スケジュールにラインアップされ、ますます存在感を増す「サカイ(Sacai)」。今シーズンのテーマは"インサイドアウト(裏返し)"。本来ならライナーに使用する素材やカットワークをあえて表に出すことで、メンズウエアを新たな視点で再構築している。
アイデアは実に様々だ。チェックのチェスターコートは裏返しに着用したことで、裏地のストライプや割りさかれた縫いしろをアクセントとして効かせている。ライナーに取りつけるはずのダウンベストは、あえてアウターの上にレイヤード。テーラードジャケットは、見返し部分と前身頃、袖をすべて異素材でハイブリッドすることで新しい表情となり、まるでまったく別のアウターのよう。トラッドとスポーツを行き来しながら、伝統的なライナーの縫製と現代のテクニックを融合し、「今すぐ着たい」と思わせるウエアラブルな洋服を作り上げている。
また今季は、ネイティブアメリカンの伝統的な民族模様を取り入れ、ジャカードの上にさらに刺繍で模様を重ねた立体的なノルディック柄のブルゾンや、大判のブランケットが登場。「バンズ(VANS)」とコラボレーションしたボアたっぷりのスニーカーもスマッシュヒットを飛ばしそうだ。