伊藤忠商事は2020年4月に人気VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLOR(当時いちから)と資本業務提携を締結した。ANYCOLORは22年6月に東証グロース市場に上場し、収益を伸ばし続けている。情報・金融カンパニー フロンティアビジネス部の齋藤隆文マネージャーにその経緯とVTuberの魅力、可能性について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月9日号の特集からの抜粋に加筆しています)
伊藤忠商事はコロナ禍以前から、VTuberビジネスが数年で急激に拡大する動向に注目していた。当時すでにANYCOLORは動画配信のみならず、グッズや音楽事業にも着手していた。「ビジネスの広がりが加速すると見込んだ」と情報・金融カンパニー フロンティアビジネス部の齋藤隆文マネージャー。また、「コロナ禍で自宅でのコンテンツ消費が進み、周辺環境が整ってきた社会的背景ともマッチしていた」と振り返る。
同社はかねてIP(知的財産)コンテンツビジネスを推進しており、VTuber事業を「日本独特の稀有なIP」として捉えたこと、事業の多角化や海外展開、社内のさまざまなカンパニーやグループ企業との協業が見込めたことが決め手となり、提携に至ったとする。
VTuberの強みは「YouTuberと比べてIP展開しやすいところ。グッズでのコラボもしやすく、活用の幅が広い。加えて、歌をはじめとした映像のコンテンツが同時に作品でもある点にある」。活動拠点がYouTubeであるためにプラットフォーム上で海外展開がしやすい点も大きなメリットとして捉えた。また、事業者としては「企業やブランドPRをする際、(生身の人物を起用するよりも)炎上リスクに限りがあるために安心感も大きい」と語る。
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