ミラノコレクションの次世代を担うデザイナーとして注目を集める「ファウスト・パグリッシ(FAUSTO PUGLISI)」が、ボディコンシャスなシルエットとカラフルな色使い、力強い装飾で作る情熱的なスタイルで、ミラノコレクションの初日の夜を盛り上げた。
強烈なスポットライトを浴びるランウェイに、レッド・ツェッペリンの曲「immigrant song(移民の歌)」が鳴り響く中、自由の女神をモチーフにした服が登場した。20歳でアメリカに移住し、ジェニファー・ロペスといったアーティストの舞台衣装でその才能を開花させたパグリッシのキャリアを象徴するかのようなスタイルだ。
カラフルな生地をパッチワークするアイデアが今シーズンの核となっている。黄色、赤、ピンク、黒、アニマル柄。曖昧さを排除した強い色同士を、シャープな三角形のピースに染めて組み合わせる。
アイテムは、マイクロ丈のサーキュラースカートや極細ストラップのキャミソール風トップスなどエロティックなものがある一方で、ひざ下丈のプリーツスカートなどコンサバなものもある。「おしとやかで若々しく、洗練されていると同時にちょっぴり下品。貞淑な妻のようでもあり愛人のようでもある」とデザイナー自身が説明するように、女性がもつ二面性をコントラストあるデザインで表現している。そのバランス感覚が絶妙だ。
端正なテーラードの技術やハンドワークによる装飾など、ベースには確かな服つくりの技があり、決して勢いだけではないところもポイント。装飾を施したオーバーサイズのゴツい革ジャンは、ロックミュージシャンのようだ。
デザイナーのファウスト・パグリッシは、1976年イタリアのシチリア島生まれ。マドンナをはじめとする多くのセレブリティの衣装を手がけてきたことで、ショービズ界でその名を知られている。2013-14年秋冬シーズンから「ウンガロ」のクリエイティブ・ディレクターに就任したことで、ファッション業界においても注目度が高まっている。
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【ファウスト・パグリッシ 2014-15年秋冬コレクション 全ルック】