ファッション

2014-15年秋冬ミラノ「フェンディ」 コンテンポラリーな貴族スタイル

 インビテーションカードには、ちぎり絵のような、抽象画のようにも見える絵が描かれ、その上に"MADE IN ITALY"の文字が書かれている。その絵と文字はショー会場の壁全面にも描かれている。

 

 ショー直前に突如、ラジコンのように浮遊する物体(カメラ)が、ウィーンウィーンと音と風を発しながら不規則に会場を飛び回り始めた。「フェンディ」は今シーズン、無人カメラによるライヴストリーミングを行なうことをアナウンスしていたことに、あ改めて気づかされた来場者は一斉にiPhoneを向け撮影を始める。どこか滑稽な風景は、ショーが終わるまで続いた。

 

 ファーストルックは、ダーツでウエストをシェイプした膝下丈のウールドレスに身を包んだカーラ・デルヴィーニ。ラグジュアリーなファーをあしらったフードをかぶり、手にはカール・ラガーフェルドを模した人形をこれ見よがしに持ち、ランウェイを闊歩する。張りのある素材のせいか、肩はやや張り出し、構築的なシルエットを描く。ファーを部分的にあしらった同じシェイプのドレスもある。ドレススタイルに続くのは、贅沢なファーを用いたアウターが主役のスタイル。ミリタリーコートやモッズコートなど。多様なファーをブロッキングしたり、部分使いしたり。それらは「フェンディ」の誇り、世界一の職人技で作られていることが容易に想像できる。インビテーション柄を模した、ファーをブロッキングしたスタイルもある。ボトムスは膝下丈のナロー、あるいはくるぶし丈のたっぷりとしたフレアか、サーキュラーミニを合わせる。

 

 ショーが進むにつれ、ランウェイを闊歩するモデルが、貴族のように見えてきたのは、ショーの音楽に壮大なクラシックを用いたせいか。その感覚を現実に引き戻したのは、多用されたスポーティなメッシュ素材とアクセントカラーとして用いられたホワイト。クラシックなスタイルをコンテンポラリーに引き上げた。

 

?

関連タグの最新記事

ファッションの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“カワイイ”エボリューション! 2026年春夏ウィメンズリアルトレンド特集

「クワイエット・ラグジュアリー」の静寂を破り、2026年春夏のウィメンズ市場に“カワイイ”が帰ってきました。しかし、大人がいま手に取るべきは、かつての「甘さ」をそのまま繰り返すことではありません。求めているのは、甘さに知性と物語を宿した、進化した“カワイイ”です。「WWDJAPAN」12月15日号は、「“カワイイ”エボリューション!」と題し、来る2026年春夏シーズンのウィメンズリアルトレンドを徹…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。