ミラノを代表する百貨店・リナシェンテの3階、イタリアの若手から中堅までを扱う売り場で、イチ押しブランンドとしてフィーチャーされていた「アキラーノ・リモンディ(AQUILANO・RIMONDI)」。今シーズンの注目すべき点は素材使い。重厚感のあるウールやオパール加工を施したヴェルヴェット、ブロンズの糸を用いたジャカードやレザーのバリエーション、そして透けるオーガンジーなど。それらを切り替えブロッキングしたり、ニードルパンチの技術でグラデーションを表現したり。さらに、ファーをトリミングして、ビジューを飾る。手の込んだ素材と、素材のコントラストを効かせたスタイルが印象的だ。
スタイルは先シーズンに引き続き、ミッドカーフ丈のタイトシルエットをベースに、今シーズンは同じ丈のプリーツスカートやマスキュリンなパンツをプラス。トップスは、得意とするダーツを駆使したタイトで構築的なアウターに加え、オーバーサイズのチェスターフィールドコートとVネックカーディガンが仲間入り。そこにミリタリーやスポーツの要素を装飾としてちりばめた。
インスピレーション源となったのは、"アールデコ"とイタリアを代表する映画監督、"ルキノ・ヴィスコンティ"。それらを融合し、リアリティのあるウエアの提案を目指した。多用されたバラモチーフが好例。
装飾としてミリタリーテイストを添えたアウターと、フェミニンなオーガンジーを用いたドレスやスカートを合わせる手法は、今シーズンのミラノで多く見られた。重さと軽さ、マスキュリンとフェミニンなど、コントラストを表現する有効的なアイデアとして「アキラーノ・リモンディ」もまた、手の込んだ素材とディテール、スタイリングで見せた。
【アキラーノ・リモンディ 2014-15年秋冬コレクション 全ルック】