いつも明るくハッピーな演出で観客を楽しませる「ディースクエアード(DSQUARED2)」だが、今季の設定は精神病棟と、若干シリアス。ドレスアップしたドラッグ中毒の患者がカギのかかった部屋から抜け出そうと暴れるムービーからショーは始まり、ランウェイには「精神病棟」と描かれた鉄格子の部屋や看守が用意された。
一般的には、ドレスはショーの後半に登場するものだが「ディースクエアード」の場合はショーの冒頭からドレスが主役だ。羽をふんだんに飾ったケープから始まり、ミルク色のファーのカクテルドレスやシルクサテンのランジェリードレスを着たモデルが、レザーのボンテージドレスに身を包んだ看守役のモデルを伴って歩く。キラキラと輝くバングルやシューズのストラップは極太でまるで拘束バンドだ。
デイウエアは、60年代調のコケティッシュなお人形風。大きな飾りボタンの鮮やかなブルーのサテンコートやレオパードプリントのショートジャケット、緑色に染めたパイソンのマイクロミニスカートのスーツなどをゴムバンドで留めるピンヒールシューズに合わせる。
ファッションを愛しすぎて時に心も乱してしまう、そんなデザイナーの心の中をのぞき見るようなコレクションはリアルクローズからは距離を置くが、プレコレクションに力を入れているからこそ可能な遊びでもある。「僕らはグラマラス・ビューティとファッションショーが大好きなんだ」と語るダン・ケイティンの言葉が印象的だ。
【ディースクエアード?2014-15年秋冬コレクション 全ルック】