真っ暗なランウェイに、ビッグシルエットのチェスターフィールドコートを着たモデルが現れる。それと同時に照明が徐々に明るくなり、コート全面に施された細かいスパンコールがキラキラと輝きだす。浮き上がる柄はフラワーモチーフのようだ。続いて登場するのは、シャツとパンツのコーディネイトやシャツディテールのドレス、MA-1など。いずれもシルエットは大きめに、レースやフェザー、ファーやビジューといったフェミニンな素材を用いて、コントラストで遊ぶ。スカートは膝下丈がメインで、デラクアらしい、透ける素材のレイヤードスタイルも引き続き見られる。一見、既視感のあるアイデアながら、ひとつひとつのアイテムはアップデイトし魅力的に提案され、"着たい"と思わせるコレクションに仕上がっている。
今シーズンは、ファーやフェザー、刺繍など素材のテクスチャーへのこだわりがこれまで以上に色濃く表現された。たとえば、変哲のないウールのコートの後ろ身頃全面にファーを施したり、ニードルパンチの手法で、ウールからファーのグラデーションを楽しんだり。ビジューは、足元のポインテッドシューズにも飾られた。さらにバックパックのベルトのディテールのみを採用した"背負う"アクセサリーをプラスするなど。これまで以上にラグジュアリーな素材を多用したコレクションからは、「ヌメロヴェントゥーノ(N°21)」の販路拡大の成功に加え、「ロシャス(Rochas)」のクリエイティブ・ディレクターに指名されるなど、ビジネス面での好調ぶりも覗かせた。
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【ヌメロヴェントゥーノ?2014-15年秋冬コレクション 全ルック】