ランウェイに沿って、対面の客席が見えないくらい高い木の壁を立てた会場でショーを行なった。もともと過剰なレイヤードを得意とする「ファセッタズム（FACETASM）」だが、目の前にそびえ立つ壁の迫力と同じように、今シーズンはより重圧感のあるコレクションを発表した。ボリュームを出すために多用されたのは、プリーツと厚みのある格子柄のツイードなど。ウィメンズでは、プリーツを幾重にも重ねたロングスカートにオーバーサイズのフリンジトップス、さらに首元だけ切り取った付け襟のようなタートルネックを合わせたり、ストライプスーツにスーパーショート丈のチェスターコートを重ねたりなど。さまざまなアイテムをぶつ切りにしてコーディネートしたかのような印象だ。
違和感のあるレイヤードは、どれもボトムスに向かってボリュームを持たせている。メンズは、そのウィメンズの流れを組みつつ、テーラードジャケットの下から格子柄のツイードコートを覗かせたアウターや上から網をかけたようなブルゾンなどが登場。さらにアームだけ不自然にボリュームを持たせたベースボールジャケットや変形ダウンジャケットなど、一着でニュアンスのあるアイテムが加わる。「リラックス感のある服がトレンドだが、"ファッションをやる"には覚悟と努力が必要。あえて圧迫感のある服にチャレンジしたかった」とデザイナーの落合。過剰なレイヤードだが、ブラックを基調にした落ち着きのあるカラー使いで、先シーズンよりシックで大人っぽい雰囲気にまとめあげた。
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