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拡大する片頭痛・頭痛ケア市場 アイマスクからフード、サプリメントまで活況

 

 
米国では片頭痛や頭痛に悩む人の増加に伴い、症状をケアするさまざま商材が登場している。米国片頭痛財団(AMF)の調査によると、世界では約10億人が片頭痛に悩まされており、そのうちの90%が「キャリア、教育、社会生活に悪影響が感じている」と回答しているという。これまで一般的に片頭痛や頭痛には、市販の鎮痛剤エキセドリンや医薬品のスマトリプタン、リザトリプタンなどの処方薬が用いられてきたが、近年は薬に頼らずに症状を予防、緩和したいという需要が増加。ウエルネスブランド各社はそれに応える商材を打ち出している。
 
オハイオ州にある非営利医療機関クリーブランド クリニックによれば、片頭痛は頭痛以外にも、吐き気、筋力低下、耳鳴り、視力低下、首の凝りなどさまざまな症状を引き起こし、ホルモンの変化、強い光、大音量、チョコレートやグルテン、乳製品の摂取、マグネシウム不足などが要因になっている可能性があるという。
 
片頭痛を専門とする統合医療医で鍼灸師のシナ・スミス(Sina Smith)博士は片頭痛について、「ズキズキと脈打つような痛みを伴う頭痛で、通常は頭の片側に起こる」と説明する。また英市場調査会社ミンテルのリンジー・キャメロン(Lindsay Cameron)=ウエルネスアナリストは、「頭痛は人々が経験する痛みの中で3番目に多いもの。この12カ月で少なくとも1回は頭痛もしくは片頭痛を発症したという成人は、73%にものぼる」と話す。近年米国では4世帯に1世帯が片頭痛に悩まされている。
 

マグネシウムは頭痛治療に効果的

 
美容トレンド予測会社スペートの調査によると、TikTokではハッシュタグ「#Migraines(片頭痛)」の視聴回数が毎週約2100万回を記録し、増加傾向にあるという。中でも片頭痛に関する検索では、マッサージ器具、マグネシウムサプリメント、自然療法が最も多かった。特にマグネシウムは、睡眠導入ドリンクとしてTikTokで話題になった“スリーピー・ガール・モクテル”にも配合されているように片頭痛治療薬市場の重要な成分と注目されており、スミス博士も「医療現場でも最も実用的で強力なものの一つ」と認めている。服用するなら吸収しやすい粉末タイプがおすすめとのこと。
 
「ムーン ジュース(MOON JUICE)」の“マグネシオム”(44ドル、約6800円)など市場に出回る粉末タイプは、良質な睡眠をサポートするために複数のタイプのマグネシウムを配合している。専門家によれば、「ウーマ オイルズ(UMA OILS)」の“ピュア カーム ウェルネス エッセンス マグネシウム オイル スプレー”(60ドル、9300円)などのスプレータイプは、緊張している部分に塗布すると効果的だという。同じくスプレータイプの「オーシア(OSEA)」の“ベガス ナーブ オイル”(48ドル、約7500円)は、ストレスを軽減するとされるエッセンシャルオイルを配合している。
 

アイマスク、眼鏡などガジェットも台頭

 
また、現代には欠かせないPCやスマホのブルーライトを含む光も片頭痛の引き金となるケースが多く、それに対処するアイマスク、マッサージ器、アイウエアの市場も拡大している。スペートの調査によると、アイマッサージ器はTikTokで最も急速に成長しているトレンドの一つだ。「セラボディ(THERABODY)」の“スマートゴーグル”(199ドル、約3万1000円)は、目とこめかみの周囲の加温、マッサージ、遮光圧縮といった機能を実装している。「セラボディ」のティム・ロバーツ(Tim Roberts)=科学およびイノベーション部門副社長は、「頭痛や片頭痛の解決策を探す声をよく耳にしている。当社のスマートゴーグルとスリープマスクは、頭痛緩和が重要なコンセプト。この優れた商品は症状に対応し、個人でカスタマイズすることも可能だ」と自信をのぞかせる。
 
片頭痛を予防・緩和するために額の神経に電気刺激療法を施す“ヘダターム2”(130ドル、約2万円)や“セファリー コネクティッド”(424ドル、約6万6000円)などの、より重点的なケアをかなえるデバイスも成長が見込まれている一方で、温熱療法で患部を温めたり冷却したり、軽度の圧力で緊張を和らげるアイマスク「オーストリッチピロー(OSTRICHPILLOW)」の“ホット&コールド アイ マスク”(39ドル、約6100円)といったアナログな商材も人気を集めている。同様に、頭全体を覆う「ハングオーバー AF(HUNGOVR AF)」の“クーリング ハングオーバー&ヘディック キャップ”(40ドル、約6200円)は二日酔いにも効くが、片頭痛持ちにとっても有効なアイテムだとソーシャルメディアでも話題だ。
 
ミンテルのキャメロン=アナリストは、トリガーフリー(頭痛を引き起こす成分を一切含まない)食品を提供する「アミア(AMIA)」や、片頭痛を引き起こさないレンズを使用したアイウエアブランド「アブラックス(AVULUX)」のように、片頭痛を予防する商材も「今後市場を盛り上げるだろう」と予測する。「アブラックス」は、有害とされる赤、青、琥珀色の光を遮断し、鎮静効果があることが証明されている緑の光を取り入れるレンズを使用。アンドレア・ポスターナック(Andrea Posternack)=営業部門副社長は、自身も片頭痛に悩まされている一人だったが、この眼鏡を1日中着用することで、隔日だった片頭痛の頻度が月に4~6回に減少したという。
 
このように人々が非医療のソリューションを求め続ける中で、専門家は今後数年でさらに新しい治療法が市場に登場すると予測している。ロバーツ=科学およびイノベーション部門副社長は、「科学者は今後知識を深めることで、解決策をよりカスタマイズし、洗練させていくだろう」と述べ、今後注目すべき分野として光治療と低磁場ソリューションを挙げた。
 
ここでは頭痛と片頭痛に対処する注目の8商品を紹介する。
 

頭痛ケア注目の8商品 

 

 

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