アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。おにぎり屋のオーナーである本明さんは、おいしいものを求めて常に世界を飛び回っている。最近のお気に入りは韓国だ。日本の韓国グルメブームは衰えることを知らず、トレンドに敏感なZ世代から人気が高い。その理由も韓国に行くと分かるとか。一方最近のスニーカーは、王者ナイキに代わり、ある意味で“マネーゲーム”を制した新興ブランドがアタマ一つ抜き出た印象。今回は、そんな食とスニーカーの話。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月2日号からの抜粋です)
本明秀文(以下、本明):おにぎり屋を始めてからよく韓国に行くんだけど、スニーカーショップが全滅だね。全く売れていない。韓国ではランニングシューズみたいな“Do”のシューズが売れるんだけど、今は「ホカ(HOKA)」よりも「サロモン(SALOMON)」の方が人気があるらしい。
──「ホカ」と「サロモン」は、「ナイキ(NIKE)」や「アディダス(ADIDAS)」の対抗として同じタイミングで売れ始めたのもあって、ファッションでは似たようなカテゴリーにされることが多いですが、本明さんから見ると何が違うんですか?
本明:どちらもランニングシューズ。でも「サロモン」はヨーロッパの会社。そして、トレイルランニングシューズのトップブランド。ヨーロッパでなぜトレランが栄えたかというと、賞金レースがたくさん開催されているから。一方、アメリカではほぼ全てのスポーツが賭け事の対象になっていて、特に人気があるのがバスケットボールやアメリカンフットボール。だからバスケットシューズが人気。賞金と賭け金とちょっと違うけど、お金が絡むと盛り上がる。機能面でいうと「ホカ」は超長距離走向きのランニングシューズ。フルマラソンだと「アシックス(ASICS)」とか、ほかにもっと軽いシューズがあるけど、100kmマラソンなら確実に「ホカ」。シューズ業界には、そういうカテゴリーキラーがいて、そこに追いつけないのが今の「ナイキ」なんだと思う。
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