「J.W. アンダーソン(J.W.ANDERSON)」は今季、主会場であるサマーセット・ハウスから少し離れたロケーションにある「ヨーマンリーハウス」で発表した。通常行なうショースペースよりも狭く、スタンディング席すら設けていなかったからか、人気上昇中のブランドだからか、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ周辺が傘下に収めるとのウワサが流れ、一層注目を集めているからだろうか。ショー開始直前まで、会場のエントランス前は人でごった返していた。
洋服は、2014年春夏メンズのコレクションを彷彿とさせる内容だった。13-14年秋冬シーズンのウィメンズは、先に発表された13-14年秋冬のメンズを、2014年春夏メンズは2013-14年秋冬ウィメンズを踏襲したものだったと考えると、やはりジョナサン・ウィリアム・アンダーソン=デザイナーにとって、メンズとウィメンズは全く別のものではなく、一つの世界観から生まれるものだ。
一枚の布を折りたたんで構築的なフォルムを成形したり、ドレープをたっぷりととってアシンメトリーなシルエットを生み出したり、細かいプリーツなどで凹凸感を表現したり。遊び心満載だが計算しつくされたパターンとドレーピング(立体裁断)でデフォルメ。また、スパンコールで描いた小花柄のスカートなど、中にはゴージャスな印象を放つアイテムも登場したが、ブラックやホワイト、ブラウン、ネイビーとベーシックな色使いを軸にしたコレクションは、モダンかつクラシカルだった。アンダーソンは「私のコレクションには、具体的なイメージソースはない。前回発表した作品を進化させて新しいコレクションが生まれる。ただ、"完璧"であってはならない。どこか壊れかけたような、崩れかけたような、繊細さを兼ね揃えたデザインであるぐらいがちょうどいい」と語った。
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【J.W. アンダーソン 2014年春夏ニューヨークコレクション 全ルック】