テクノロジーの時代に評価されるモノ作りの姿勢とは

ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、日本のモノづくりの話。（この記事は「WWDJAPAN」2024年12月23日号からの抜粋です）

PROFILE: 渡邉弘幸／ウカ代表取締役CEO

PROFILE: （わたなべ・ひろゆき）：東京都出身。明治大学卒業後、博報堂に入社。2009年の退社後、夫人でありネイリストとして活躍する渡邉季穂（わたなべ・きほ）の祖父が創業した向原（現・ウカ）に取締役副社長として入社。美容室「エクセル」からトータルビューティサロン「ウカ」へのリブランディングのほか、教育機関「ウカデミー」、オリジナルプロダクト・サロンメニューの開発を担うR＆D、「ウカフェ」の立ち上げ、海外展開にも尽力。14年から現職

【賢者が選んだ注目ニュース】

年末が近づき、ベストコスメのシーズンが到来した。「ウカ」が今年の夏にリニューアルしたヘアケア「リジェネラティブ グッド」シリーズのシャンプーやトリートメントが、「マキア」「美的」「ヴォーグ」などのベストコスメでありがたいことに1位に選ばれた。齋藤薫氏の記事でも取り上げられているように、2024年はテクノロジーを重視した新たなヘアケアブランドが誕生し、ドラッグコスメ市場のヘアケア商品が大きく動いた。ベストコスメに選ばれているほかのヘアケアブランドを見てみると、たしかにテクノロジーに重きを置いたブランドのランクインが続いていることが分かる。

テクノロジーで勝負する大手メーカーに対して、「ウカ」が取り組んだのは、人間を自然の一部と捉え、大地を生かし環境を回復させ循環するリジェネラティブなモノ作りだった。そんな「ウカ」のモノ作りをベストコスメ企画で美容賢者たちが評価してくれたことは大きな自信につながった。

何かとテクノロジーやテックに目が向きがちな昨今だが、それだけではないモノ作りがあることを知ってほしいという思いがある。化粧品市場におけるオーガニックコスメのシェアは1割にも満たないのが現状だ。しかしその中でも美容賢者たちに認められるものがあるということはオーガニックやナチュラルなモノ作りに取り組む人たちにとって明るいニュースだっただろう。