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「Y/プロジェクト」がブランド終了 買い手候補と合意に至らず

Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は1月9日、ブランドを終了することを発表した。同ブランドは以前から資金難に陥っており、昨年9月4日に債権者への支払いを停止。同月26日にパリ商業裁判所により破産管財人の管理下に置かれ、買い手を探していた。同裁判所の資料によれば、買い手候補は香港の投資会社AAインベストメント(AA INVESTMENTS)のみで、同社は4万5000ユーロ(約729万円)での買収案を提示したが、合意に至らなかったという。

「Y/プロジェクト」について

同ブランドは、2010年にデザイナーのヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)が起業家のジャイルズ・エレイルフ(Gilles Elalouf)と共に設立。13年にセルファティ=デザイナーががんで死去した後、当時ファーストアシスタントを務めていたグレン・マーティンス(Glenn Martens)がクリエイティブ・ディレクターに就任した。その後、24年6月にエレイルフ共同設立者が死去。マーティンス=クリエイティブ・ディレクターは9月6日に退任を発表し、同月のパリ・ファッション・ウイーク期間中に予定していた25年春夏コレクションのショーも中止となった。

なお、故エレイルフ共同設立者の死後、兄弟であるダニエル・エレイルフ(Daniel Elalouf)が「Y/プロジェクト」の過半数株式を相続した。また、23年12月に就任したパスカル・コンテ・ジョドラ(Pascal Conte-Jodra)最高経営責任者は、24年7月に退任している。

同裁判所によれば、「Y/プロジェクト」の従業員は24人で、23年度の売上高はおよそ1100万ユーロ(約17億円)だった。

「Y/プロジェクト」の声明

同ブランドは、「14年にわたって実りのある活動をしてきたが、ブランドを終了するという難しい決断をした。これまで『Y/プロジェクト』を揺るぎなく支えてくれた全てのパートナーとサポーターに感謝する。また、チームに創造と成長の場を与えてくれたグレン・マーティンス、パスカル・コンテ・ジョドラ、故ジャイルズ・エレイルフに深く感謝する」と声明を発表した。

なお、同ブランドは、フランス・オートクチュール&モード連盟(Federation de la Haute Couture et de la Mode)やパリ・ファッション・ウイーク関連の業務にも携わっていた故エレイルフ共同設立者に敬意を表し、アーカイブから複数のルックを米メトロポリタン美術館、パリ市立ガリエラ美術館・モード&コスチューム博物館、パリ装飾美術館、ベルギーのモード博物館などに寄付するという。

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