ニューヨーク(NY)を拠点にする「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」の創業デザイナーであるジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)が、1月31日付で退任する。2人は現在、シーラ・スヴェイケ・スナイダー(Shira Suveyke Snyder)最高経営責任者と協力し、新たなクリエイティブ面のリーダーを探している。また、米「WWD」の独占取材に対し、マッコローとヘルナンデスは今後も同社の株主であり続け、役員を務めると述べた。
声明の中で、ヘルナンデスは「会社の中での日々のリーダーとしての役割から退き、クリエイティブの手綱を新たなデザイナーに譲るというパーソナルな決断をする時が来たと感じた。私たちが常に大切にしてきたのは、リスク覚悟の思いきりと冒険心。そして、次に何が起ころうとも、自分たち自身を開放する準備ができている」とコメント。マッコローも「変化は決して容易いものではないが、私たちが慎重に検討してきたこの決断は、私たちの人生のこのステージにおいて、ふさわしいタイミングでの適切なステップだと感じている」と付け加えた。
ただ、「ディオール(DIOR)」への移籍のために「ロエベ(LOEWE)」から去るという噂が浮上しているジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の後任としてクリエイティブ・ディレクターに就任するのではないかという憶測が流れているにも関わらず、2人は今後の活動について一切明らかにしなかった。また、「ロエベ」も親会社のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)も1月15日現在、コメントを控えている。
NYのパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、2002年に「プロエンザ スクーラー」を立ち上げたマッコローとヘルナンデスは、NYファッション・シーンの雄としてヨーロッパのトップメゾンから注目されていた。情報筋によると、LVMHは長年にわたり、傘下の主要メゾンの一つとして加わることについて2人と話し合いを続けてきたという。彼らが「ロエベ」に加わるという話は、昨年10月から水面下で始まっていたと同じ情報筋は語っている。
「プロエンザ スクーラー」の今後は?
「プロエンザ スクーラー」は、2月6〜11日に開催される25-26年秋冬ニューヨーク・ファッション・ウイークの公式スケジュールには含まれていないものの、関係者によると「中断することなく、事業を継続する」という。
また、2人はブランドの今後について自信を示し、次のように述べた。「私たちは、素晴らしいチームを率いるという信じられないような栄誉を得た。なかには、初日から一緒に働いている人もいる。彼らは私たちのことを知り尽くし、私たちの原動力である感情やアイデアの一部を彼らに伝えることができたと確信している。新しいクリエイティブ・リーダーがチームの素晴らしい才能をどのように引き出し、彼らならではの視点で既存のコードを進化させるかが楽しみだ。私たちは、彼らとブランドの未来に全幅の信頼を寄せている」。