「サミール ナスリ(SMIR NASLI)」はブランド設立4年目を迎える今年、直営店の出店強化と自社ECサイト開設で事業拡大を図る。現在の店舖数は、主力のルミネエスト新宿をはじめ、好調な池袋パルコ、リニューアルした渋谷マルイと新規の博多阪急、プランタン銀座、名古屋パルコ、有楽町マルイを加え、全9店舗になった。ファッションフロアに構える店舖の売り場面積は約20?33平方メートルと小規模ながらも、着々と認知度を高め、実績を積んでいる。2014年度の売上高は、前年比265%の約6億円。15年春夏(1?3月)はスタートから好調で、主要店舗の月間売上高は前年比150%の1200万円だった。月坪効率も200万円で推移している。
「サミール ナスリ」商品の中心価格は主力のバッグが1万円、シューズが1万3000円で、ギフト需要も多いモバイル雑貨やネックレスなども並ぶ手頃なラインアップだ。また、2万?2万5000円の本革を使ったバッグライン「サミール ナスリ ジェム」もそろえる。全カテゴリーをアパレル出身の企画チームが手掛けており、定期的にパリやニューヨークなどを訪れ、国内外のトレンドをいち早く吸収することで、ウエアとのスタイリングを常に意識したクリエイションとクオリティーにこだわっている。また最近では、「ディズニー」や「リー」などとの限定オリジナル商品や、「ナイキ」のスニーカーや「フェールラーベン」の"カンケンバッグ"などのセレクト商品も増やし、アパレルブランドの店舗と同じフロアでも違和感のないVMDとMDで、毎週足を運んでも飽きさせない店舖作りに力を入れている。その結果、トレンドに敏感な顧客を中心に、アパレルブランドとの買い回りも多い。販路拡大を機に、「サミール ナスリ」のメーンターゲットの20?30代前半に加え、「サミール ナスリ ジェム」を強みに百貨店や駅ビルを訪れる30代後半の感度の高い消費者を新たに狙う。
今月には、自社ECサイトを開設し、ウェブ事業も強化する。現在は5つの主要ECサイトに出店中で、特に売り上げの多い「ゾゾタウン」の15年春夏立ち上がりの月間売上高は、1500万円を記録した。来年度は自社を含め、ウェブ事業の売上高年間5億円を目指す。さらに今秋は、6店舖の出店を計画しており、今年の事業全体の売上高は20億円を見込んでいる。
キャプション: メイン画像:2015年春夏の広告ビジュアル。商品単体で見せるのではなく、スタイリングで見せるファッション性の高いトータルコーディネートで提案する
ギャラリー画像1:昨春ローンチしたシューズもバッグ同様、幅広い年齢層に支持されている
ギャラリー画像2:(c)Disney 人気のディズニーアイテムはウエアに見えるクラッチバッグやモバイルケースなど、デイリーに使いやすいものがそろう
ギャラリー画像3:2月にオープンした博多阪急店。ガールズ系アパレルブランドが並ぶファッションフロアに並ぶ