ファッション

トラベルライター間庭がハコ推し! 今こそ行くべき“サティパホテル”「グランドメルキュール」

INDEX
  • “いつもの旅”のその先へと誘う「はなれ旅」というコンセプト
  • 「結びビト」がその地域の文化や産業とをつなぐナビゲーターに
  • 心もふところもリラックスするオールインクルーシブを推進
  • 沖縄県最大級のプール施設を誇る残波岬でバカンス
  • ウォータースライダーや流れるプールにオトナもはしゃぐ!
  • スタイリッシュでありながらキッズも遊べるファミリーリゾート

旅の質が重視される今、気分や価値観にフィットし、心から満足できるサティスファクション パフォーマンス=サティパのいいホテルが求められている。コンセプトが明確で、ブランド力のある宿をトラベルライターの間庭典子が毎回、“ハコ推し!”。今回は日本でも注目のフランスのアコーホテルズのブランド、「グランドメルキュール」をクローズアップする。

“いつもの旅”のその先へと誘う「はなれ旅」というコンセプト

2024年4月、「グランドメルキュール」と「メルキュール」は全国22カ所を一気にリブランドオープンさせたことで注目を集めた。さらに話題となったのが「はなれ旅」というコンセプト。京都や大阪などの観光やビジネスの中心地だけではなく、あえて少しエリアをずらして、その土地ならではの滞在を提案している。ローカルでしか味わえない食体験や絶景、伝統や文化、人とのつながりなど、日本のその土地に根付いた魅力を、モダンにアップデートする試みだ。

各地に点在する22施設は那須高原や浜松、南房総、伊勢志摩、淡路島など、自然や文化が豊かでありながら、ゆったりと過ごせるロケーションばかり。観光地に集中するオーバーツーリーズムを回避し、近隣エリアに雇用機会をもたらす効果もあるだろう。また「はなれ旅」には物理的な距離だけではなく、都市部や観光中心地を「母屋(おもや)」、その一歩先のまだあまり知られていない美しい地域を「離れ(はなれ)」と捉えるなど、メンタル面での意味も込められている。別宅のようにプライベートな時間を過ごしてほしいという思いもあるだろう。

「結びビト」がその地域の文化や産業とをつなぐナビゲーターに

各施設には地域の文化や産業に携わる職人やアーティストが「結びビト」となり、その地の魅力を伝えている。例えば「グランドメルキュール淡路島リゾート&スパ」では塩職人の末澤輝之さんから塩を精製する工程やこだわりについて学ぶアクティビティーがある。

ほかにも「グランドメルキュール和歌山みなべリゾート&スパ」では古来の巡礼の正装・壺装束(つぼしょうぞく)をまとった「結びビト」と熊野古道をガイドする体験プログラムがある。現在の地図にはないが、平安時代から鎌倉時代には正式な参詣道であったルートを巡るとあって、歴史の1ページを垣間見ることができるツアーとして人気だ。

心もふところもリラックスするオールインクルーシブを推進

また「グランドメルキュール」のもうひとつの特徴は、宿泊料金に朝食や夕食、ラウンジでのドリンクやおつまみ、温泉やアクティビティーなどが含まれるオールインクルーシブを導入していること。一部のドリンクやアクティビティーは有料ではあるが、お財布を気にすることなくゆったりと滞在できる。滞在中の出費が固定され、把握できることで、旅全体のプランが立てやすくなる。オールインクルーシブは今までにも体験型リゾートなどでもあったシステムだが、それよりもう少し気軽な、施設内のドリンクやスナック、温浴施設などの使用料が滞在費に含まれている、くらいの感覚だ。例えばチェックイン後の15時から開放されるラウンジは、18時まではティールームのように(それでもビールサーバーやワインが並んでいるのがうれしい!)、ディナー後の21時から23時にはウィスキーやジンなどのハードリカーも楽しめるナイトキャップのバーとなり、照明もがらりと変わる。本格的なプールや温泉がある施設も多く、それらの使用料ももちろん滞在費に含まれている。

沖縄県最大級のプール施設を誇る残波岬でバカンス

この夏、取材で訪れたことをきっかけに、プライベートでも訪れたのが「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」だ。那覇空港から車で約70分、リムジンバスも運行し(予約制)、那覇中心地からのアクセスもいい。「やちむんの里」などがある読谷村の先の岬なので、静かで、大自然の中で過ごせるのも、魅力だ。10月までオープンしていた残波ビーチがまるでプライベートビーチのような開放感で、館内には海に面した眺望風呂もある。

フランスを拠点とし、世界110カ国以上で5700軒以上のホテルを展開するアコーホテルズのブランドだからか、ヨーロッパ系のゲストが多い。夕食もミルク仕立ての沖縄そばや、トリュフオイルのゴーヤチャンプルーなど、郷土料理をフレンチ風にひとひねり利かせたものが並ぶ。とにかく味もプレゼンテーションも洗練されているのだ。オールインクルーシブには、ワインや泡盛などのアルコールも含まれ、ここでもふところを気にしなくていい安心感が。朝食にもスパークリングワインが並んでいるので、オレンジジュースと割ってカクテル、ミモザにアレンジしてみた。これは楽しい!

ウォータースライダーや流れるプールにオトナもはしゃぐ!

そして2024年8月にオープンしたという沖縄県最大級のオールデイプールもすごかった!本格的なウォータースライダーはウルトラブーメランなど3種類。もちろん追加料金はなく、何度でも滑りたい放題。高さ86メートル、長さ62メートルのスライダーはスリル満点だ。

自由に使える浮き輪などの遊具もあり、「てぃんがーらプール(流れるプール)」にぷかぷか浮かび、童心に帰って夏休みを満喫した。子ども用プールも充実し、キッズが大はしゃぎだったが、ご安心あれ。奥には18歳以上は使用できないオトナ専用の「ゆくる(=休む)プール」もあり、高級リゾートならではの時間に満足した。夜はドラマチックなライティングのナイトプールに。温水エリアでは11、12月でも泳げるので、時期をずらした「はなれ旅」もおすすめだ。

スタイリッシュでありながらキッズも遊べるファミリーリゾート

大人も子どもも大満足の“洗練されたファミリーリゾート”であることも「グランドメルキュール」の特徴のひとつだ。大人の空間に子どもが窮屈な思いでいるわけでも、子供に合わせて妥協するわけでもなく、ともに満足でき、かつ写真におさめたくなるようなスタイリッシュなリゾートになるよう工夫されている。

多くの施設にはプールや温泉などがあり、滞在中は自由に利用できる。なかでも「グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ」のプレイグラウンド「杜の8(もりのえいと)」は秀逸だ。遊びながら学べるみんなの遊び場で、無垢材でできたアスレチック「アリの巣タワー」や「てトロ(手回しトロッコ)」ボルダリングウォールなどがある。小学生以上対象の三輪車のドリフト「星空サーキット」や0歳から未就学児のための「キッズマウンテンエリア」など、あらゆる年代が夢中になれる構成となっている。

「グランドメルキュール南房総リゾート&スパ」や「グランドメルキュール淡路島リゾート&スパ」など館内にキッズスペースや、ベイビーウェルカムなデザインのゲストルームを備えた施設も多く、子連れにはうれしいサービスが満載。洗練されたブッフェではあるが、離乳食(既製品)や高さが低いテーブルのキッズコーナーがあるなど工夫されている。

オーバーツーリズムを回避する「はなれ旅」、滞在中はお財布を気にせずにすむ「オールインクルーシブ」、そして家族全員がわくわくする「洗練されたファミリーリゾート」は一新した「グランドメルキュール」の強みだ。今度はこの地域に行こう、この結びビトに会い、ローカルでしかできない体験をしようという期待が、リピートにもつながる。満足度がホテルのブランド力を高めるのだ。

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