「カラー(KOLOR)」は1月27日、新たなデザイナーに「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」の堀内太郎デザイナーを任命した。ブランド創設者であり前デザイナーの阿部潤一は25日(現地時間)、パリ・メンズ・ファッション・ウィークで行った2025-26年秋冬コレクションのランウエイショーで、同職を退任することを発表していた。
「カラー」の公式Instagramで日本時間の午後8:00に、阿部デザイナーと堀内デザイナーの対談形式のショートムービーを投稿した。動画内で阿部デザイナーは、17年に自身の父親が他界したことをきっかけに「人って死ぬよな」「『カラー』はずっとあり続けるのであれば変わっていかなければならない」と実感し、2月に迎える60歳の節目として、有限会社カラーを定年退職することを意識したと語っている。
堀内デザイナーを任命した理由として、阿部前デザイナーは「一着入魂みたいな(服の)作り方をするから。こだわりとか、妥協しない部分は同じ感覚で、そういう部分は近い」と話している。それを受けて堀内デザイナーは、「『カラー』のDNAをしっかり継承しながら、新しい提案をしていきたいと思っている」と応えた。今後はメインデザイナーを堀内デザイナーとしつつ阿部デザイナーは「サブとしてぴったりくっついていく」と述べた。
堀内デザイナーはアントワープ王立美術アカデミーを卒業後、09年にウィメンズブランド「タロウ ホリウチ」をスタート。その後約10年間コレクションを発表していたが、19年に始動した「ティーエイチ プロダクツ(TH PRODUCTS)」に専念するため、同年に「タロウ ホリウチ」を休止。23年春夏シーズンに「よりリアリティーのあるウィメンズウエアを作りたい」とアート・ディレクターにファッションエディターの大平かりんを迎え、再始動していた。
「カラー」は04年に阿部デザイナーがスタート。12-13年秋冬シーズンからパリでのコレクション発表に参加するなどしながら、海外でも高い評価を得てきた。12年には毎日新聞社主催の「第30回毎日ファッション大賞」を受賞し、13年春夏シーズンからメンズブランド「カラー ビーコン(KOLOR BEACON)」を開始。24年11月には、コロネットが有限会社カラーを事業承継し、有限会社と国内の小売店舗、国内外の卸といった組織と事業、スタッフを引き継いだ新体制を築いていた。なお、その親会社である伊藤忠商事はブランドの国内外における商標権を獲得していた。