毎日新聞社は11月5日、日本橋三井ホールで2015年「毎日ファッション大賞」の表彰式を行った。第33回となる今回は、大賞に阿部千登勢「サカイ(SACAI)」デザイナー、 新人賞/資生堂奨励賞に森川マサノリ「クリスチャン・ダダ(CHRISTIAN DADA)」デザイナーを選出した。その他、鯨岡阿美子賞には大丸隆平・大丸製作所2社長、話題賞には「ディオール(DIOR)」、特別賞には第一織物が選ばれた。
選考・推薦委員は、大賞に相澤陽介「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」デザイナーや、天津憂「エーディグリーファーレンハイト(A DEGREE FAHRENHEIT)」デザイナーなど計12人をノミネートし、審議の結果07年に次ぐ2度目の大賞となる阿部を選んだ。選考理由としては、特にこの1年の活躍が群を抜くこと、他のジャンルにも影響を与えたことなどが挙がり、全会一致で決定したという。
大賞を受賞した阿部千登勢は「周りの協力があってここまで来ることができた。一歩一歩、努力を積み重ねて、今まで見たことのない景色を見たい」と更なる飛躍を誓った。
また、シンガポール企業の傘下に入って、パリコレに参加したユニークな姿勢などが評価された森川マサノリは「この受賞は新しいスタートだと思っている。更なる高みを目指したい」とコメント。授賞式では、東京で発表した16年ウィメンズコレクションのショーを行い、会場を盛り上げた。また、森川デザイナーは、来春までにシンガポールのオーチャードロードに直営店の新規出店を計画していることを明かした。
「毎日ファッション大賞」は、毎日新聞社が創刊110周年を記念して、1983年に日本のファッションの歩むべき方向性を模索する上で、何らかの寄与を果たせればという願いから、創設されたもの。過去には、川久保玲、三宅一生、高田賢三、山本耀司らが大賞を受賞している。