ファッション

クチュール20周年の「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」は、TikTokにも負けない煌めき

オートクチュールのライン「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」は2005年、ブランド創設30周年を機にスタートしたものという。あれから20年、ブランド自体も50周年を迎えた、91歳のジョルジオ・アルマーニが見せた2025年春夏コレクションは、TikTokなどのエフェクトをはるかに凌ぐほど、洋服自体が眩く煌めく、時代も、空間も超越したオリエンタルなドレス94体だった。

儚くはあるものの、一方で何にも遮られることのない煌めきを讃えたら、時代も、空間も、もしかしたら思想さえ超越できるのではないか?そう信じたアルマーニは、近年オートクチュール・コレクションで傾倒するオリエンタルへの探求を深めた。サンドやヌードの色彩は、西アジアや北アフリカから。そこにインドを中心とする南アジアが得意とする華麗な装飾を加え、日本を含む東アジアに特有のミニマルなラインのノーカラージャケットや楊柳のパンツ、そしてドレスに仕上げる。素肌の上に纏った、極細の糸で編み上げたプルオーバーニットや、ペンシルラインのスカートは、まさにヴェールのよう。ダッチェスサテンやブロケードが光を優しく反射する一方、最後に加えた装飾は歩くたびに明滅を繰り返して大袈裟ではなくピカピカ光っている。スマホの画面越しに見ると、まるでSNSのエフェクトのようだ。アクセサリーは、バッグで陽の光と戯れる一方、ヘッドピースは月の光を優しく増幅するイメージ。煌めき方は多種多様だ。

リーンでしなやかなシルエットで女性の柔らかさを掻き立てつつ、まるで宝石のように自ら輝きを放つスタイルの数々は、まさに普遍的な存在だろう。そして、この普遍性こそが「ジョルジオ アルマーニ」が50年間、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」が20年間探求し、これからも追求し続けるスタイルなのだと思う。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

東京に広がる “成熟したエレガンス”と“リアルクローズの提案力” 2025-26年秋冬東コレ特集

3月31日発売の「WWDJAPAN」は、2025-26年秋冬の「楽天 ファッション ウィーク東京」特集です。今季の特徴は、デザイナーらがブランド設立当初の世界観を大きく前進させたこと。東京らしいパーソナルな視点でのモノ作りに加え、“エレガンス”を成熟させて幅広い層に刺さるクリエイションが際立ちました。同時に、よりリアルクローズを意識した提案も目立ち、今後に向けてのターニングポイントを予感させるシー…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。