第88回ピッティ・イマージネ・ウオモが伊フィレンツェで開幕した。2日目の17日、「エミリオ・プッチ」が2016年春夏コレクションのパイロット版(試作品)をお披露目した。「MSGM」デザイナーのマッシモ・ジョルジェッティ=クリエイティブ・ディレクターによる初のコレクションだ。メゾンの豊富なアーカイブを自在に操り、色柄遊びを得意とする彼らしいキャッチーなモチーフ使いとツイストを利かせたシルエットによって、「エミリオ・プッチ」に若々しさが加わった。ウィメンズと一緒にメンズも発表したが、メンズが本格始動するかは未定。9月に開催されるミラノ・コレクションでその全貌が明らかになる。
今回、ジョルジェッティがピックアップしたアーカイブ・プリントは"ツーリスト"。カメラを片手に、フィレンツェの名所であるドゥオモなどを巡る観光客のイラストを、シルクのブラウスやワンピースに大胆に散らしている。アーティなモチーフ使いの一方で、レモンイエローやパープル、マルチカラーの色遊びによって「エミリオ・プッチ」らしさは健在だ。フィレンツェのシンボルである百合の紋章を模った新たなロゴを、バッグやシューズに象徴的にのせた。足元は、メタルカラーのトゥが目を引くチャンキーヒールのローファー。メンズは、シルクのパジャマシャツと同柄のスカーフを首元に結ぶ。メンズライクなルックはウィメンズにも登場し、シェアラブルなスタイルも予感させた。アイキャッチな遊び心を散らしたコレクションは「今すぐ着たい」と思わせるルックばかり。エイジレスでフレッシュな感性が加わったことで、新規顧客獲得にも一役買いそうだ。