「ロエベ」は6月22日から始まるパリ・メンズ・コレクション開催に合わせ、市内のキオスクで2016年春夏広告キャンペーン・ビジュアルを公開する。さらに、初の試みとして、メンズ プレゼンテーションが行われる左岸のロエベのアトリエ外部のビルボードにも掲出する。
スティーブン・マイゼルのアーカイブをマイゼル自身が再撮影してヴィジュアルに用いるこの手法は、ジョナサン・アンダーソン=クリエイティブ・ディレクターのデビューシーズンである2015年春夏から行っている。これから発表するコレクションのADヴィジュアルを先に公開する手法は2015-16年秋冬から行なっており、大きな話題を呼んだ。アンダーソンとエムエムパリスの密接なコラボレーションで創り上げられたヴィジュアルも印象的だ。
今回マイゼルは、個人のアーカイブの中から「日付の無いモノクロ写真」をデジタルカメラで撮影し直し、オリジナルのセルフポートレイトを制作した。未発表だったこのポートレイトは、アンダーソンがディレクションする「ロエベ」とフォトグラファーの特別な結びつきをより強くするものとして表現されると同時に、ファッション、再表現(リプレゼンテーション)、ポートレイト、複写(リプロダクション)というトピックにおいて、一石を投じる表現としても注目だ。
同じ週に発表される2016年春夏メンズ・コレクションからは、黒で描くシャープなルックをピックアップし、メーンモデルにはマーク・アンドレ・タージョンを起用した。ベンジャミン・ブルーノがスタイリングを手掛け、エムエムパリスが手掛けた富士山を想起させるセットでマイゼルが撮影したフューチャリスティックなルックは、最新コレクションのテーマである「日本」をほのめかせながらメゾンの大胆な美学を捉えている。