セーレンは同社の本社(福井市)に、その場で47万通りのオーダーが可能なパーソナルオーダーアパレルのアンテナショップをオープンした。セーレンはテキスタイルとアパレルの生産システム「ビスコテックス」を活用し、オーダーを受けてから数km先の自社工場でテキスタイルの生産と裁断、縫製を行ない、最短で2週間で購入者の手元に届ける。単に生地を裁断するだけでなく、生地そのもののデザインと生産からスタートするアパレルのオーダーショップは世界初だ。川田達男セーレン代表取締役会長兼最高経営責任者は、「大手企業の染色業の下請けに過ぎなかった当社が、30年前にIT化、デジタル化、流通ダイレクト化という夢を掲げて『ビスコテックス』をスタートした。余計な在庫をまったく必要とせず、しかも誰もが欲しい服を作れるこの仕組は、ファッション産業の夢の仕組みだ」と語った。
約20坪のショップには10数体のサンプルのみを置き、購入者はサンプルの試着に加え、店内のデジタルサイネージ上でのバーチャル試着も可能。現在は試験運用中で、ワンピース27型、30素材、それに膨大な数の柄や色を選び、発注する。価格は3万9000円、4万4000円、4万9000円の3パターンだが、今後アイテムや素材のバリエーションを拡充し、早ければ年度内に東京や大阪、名古屋への出店を行う。