ファッション

「M A S U」2025-26年秋冬は異例のモノ作り 避けてきた“定番品”に向き合う

後藤愼平デザイナーによる「M A S U(エムエーエスユー)」は、2025-26年秋冬コレクションの約70型を、ブランドがスタートした17年春夏から25年春夏まで、ほぼ全シーズンのアーカイブをアップデートするという新しい試みを行っている。テーマは「20XX(トゥーゼロダブルエックス)」で、“いつのコレクションでもない”という意図を込めた。

同ブランドは、24-25年秋冬と25年春夏の2シーズン続けて、「ファッション プライズ オブ トウキョウ(FASHION PRIZE OF TOKYO)」受賞によるサポートのもと、パリでコレクション発表を行ってきた。後藤デザイナーはその経験から、後藤デザイナーは「ファッション業界のサイクルの早さに改めて疑問を抱いた」といい、「今回のコレクションは、ただアーカイブをデザインソースにしたと言いたいのではなく、『M A S U』は自分のペースで服作りをするという意思表示だ」と話す。かつては定番品を作ることに積極的ではなかったが、ブランド設立10周年に向けて、今後は定番品も含めたブランドとしてのさらなる基盤作りに挑む。現在のアカウント数は国内50弱に、海外20弱。

アイテムは、ウサギの総柄モノグラムをスワン柄に変えたセーラーフードブルゾンから、複数のコレクションのモチーフや生地を組み合わせて、ボンバージャケットに仕立て直したものなど。三越伊勢丹や、大阪のセレクトショップ「パレット アート アライヴ(PALETTE ART ALIVE)」などとの別注アイテムをブラッシュアップした復刻アイテムも登場する。例えば、元はビンテージのドレスシャツをリメイクしたウエスタンシャツを、新たな素材で量産したり、ジーンズのアーガイル柄はフロッキープリントからレーザーブリーチにしたり。2024年春夏に初登場したケーキバッグは、キルティング仕様に変更して大小サイズで用意した。

グラフィックアーティストVERDYとのコラボレーションも継続し、同氏のオリジナルキャラクターであるVICKをプリントしたTシャツや、フロッキー加工したVICKを全面にあしらったイージーパンツとプリーツショーツをそろえた。特にパンツ類は「ボディーと同色でキャラクターを乗せているため、よく見ないとVERDYさんコラボと気付けない。さりげなさにこだわった」という。

関連タグの最新記事

ファッションの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

デムナの「グッチ」は賛否両論? 「ジバンシィ」「トム フォード」「ドリス」も注目の2025-26年パリコレ特集 【WWDJAPAN BEAUTY付録:「第8回WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」結果発表!】

3月24日発売の「WWDJAPAN」は、2025-26年秋冬パリ・ファッション・ウイーク特集をお送りします。デザイナーのシャッフル人事が続く中、今シーズンは「ジバンシィ(GIVENCHY)」がサラ・バートン(Sarah Burton)で、「トム フォード(TOM FORD)」がハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)で、そして「ドリス ヴァン ノッテン(DIRES VAN NOT…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。