大阪文化服装学院は2月12日、学校名を「ヴォートレイル ファッション アカデミー(VOUTRAIL THE FASHION ACADEMY)」に変更することを発表した。新学校名は“Vogue(ファッション・流行)”と“Trailblazer(先駆者・開拓者)を掛け合わせた造語で、常に移り変わるファッション業界の中で、最新のファッション・流行を生み出す先駆者・開拓者となる若きトレンドセッターを育成する教育機関であろうという意思を込めている。
学校名変更の背景には、東京の文化服装学院との区別が付きづらく、同校から独立した固有の学校として十分に認識されないという課題があった。1952年に東京の文化服装学院の連鎖校になって以来、パターンメーキングや縫製などの精緻な制作技術を習得する教育技法を定着させるほか、98年にイタリア・フィレンツェで開催された「ビエンナーレデラモーダ」に招待されてポリモーダ校との連携を深めたことをきっかけに、ヨーロッパのアイデアクリエイション手法を導入してきた。2008年に4年制の「スーパーデザイナー学科」、16年には3年制の「クリエイティブデザイナーコース」を新設したのは、独自の教育ノウハウを象徴する出来事だという。24年には「装苑賞」「YKKファスニングアワード」「アジアファッションコレクション(Asia Fashion Collection)」という国内の主要なファッションコンテストで大阪文化服装学院の学生がグランプリを獲得するなど、実績を積み重ねてきた。しかし、こういった同校ならではの価値が学外に伝わりづらいことを受けて、独自の存在感を示すために校名を上述のように刷新するに至った。なお、東京の文化服装学院の連鎖校としての関係性は継続する。
今回の学校名変更を皮切りに、26年度には学科・コースの新設や統合、名称変更、教育プログラムの再編を行う。新学科としては起業家など高度なビジネス人材を育成する4年制学科として「ブランドプロデューサー学科」を新設する。これは、現在のブランドマネージメント学科のカリキュラム(3年制)を4年制学科として充実させるもの。さらに、ファッション業界のみならず、映像・エンタメ・ゲーム業界まで領域を拡張する3年制の「VRファッションコース」を始動する。21年に大阪文化服装学院が全国で初めて設立した「3Dモデリストコース」を発展させ、グラフィック領域を強化するという。