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米百貨店ブルーミングデールズ、サンフランシスコ旗艦店を閉店

INDEX
  • 親会社の百貨店メイシーズは店舗の統廃合を実施中
  • サンフランシスコの治安悪化も影響か

米百貨店ブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)は、サンフランシスコ旗艦店を今春に閉鎖することを明らかにした。

同旗艦店は2006年9月、同市の中心部ユニオンスクエアの近くにあるショッピングモール、ウェストフィールド・サンフランシスコ・センター(The Westfield San Francisco Centre、現サンフランシスコ・センター)にオープン。5層建てで約3万㎡の広さを誇り、ブルーミングデールズの中ではニューヨーク・マンハッタン旗艦店に次ぐ規模だ。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「モンクレール(MONCLER)」などのラグジュアリーブランドのほか、多くのコンテンポラリーブランドが出店している。

親会社の百貨店メイシーズは店舗の統廃合を実施中

ブルーミングデールズは、32の百貨店と21のアウトレットのほか、ラグジュアリーおよびコンテンポラリーブランドにフォーカスした小型店のブルーミーズ(BLOOMIE'S)を4店舗構えている。なお、親会社である米百貨店メイシーズ(MACY'S)は24年2月、国内におよそ500あるメイシーズ事業の店舗のうち、約150の不採算店を26年までに閉鎖することを発表。これは“大胆な新章”と名付けられた構造改革計画の一環で、ほかに“ゴーフォワード(前進させる)”と位置付けた350店への優先的な投資、サプライチェーンやフルフィルメントの合理化、在庫率や商品アロケーションの改善などを行う。メイシーズもサンフランシスコに店舗を構えており、24年2月の段階では閉鎖対象の不採算店とされていたが、25年1月に発表した今年中に閉鎖する店舗リストには含まれていなかった。

一方、ブルーミングデールズ事業は、ブルーミーズを今後3年間で約15店、ビューティおよびスパサービスに特化したブルーマキュリー(BLUEMERCURY)を同じく30店以上出店する予定だという。

サンフランシスコの治安悪化も影響か

近年、米国では小売店での窃盗が増加し社会問題となっている。そうした中、サンフランシスコは治安が悪化している地域もあり、客足も落ちていることから、百貨店やブランドの撤退が相次いでいる。

米百貨店ノードストローム(NORDSTROM)は23年、本体の百貨店とオフプライス業態のノードストローム ラック(NORDSTROM RACK)の両方をサンフランシスコから引き上げた。特にサンフランシスコ・センター内に構えていた店舗は4~7階にまたがり、旗艦店と位置付けられていたため、閉店が地域社会に与えた衝撃は大きかったという。

ほかにも、ここ数年の間に「アディダス(ADIDAS)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「アンソロポロジー(ANTHROPOLOGIE)」「オールドネイビー(OLD NAVY)」「エクスプレス(EXPRESS)」などのブランドやレゴ®ストア(LEGO STORE)、ホールフーズマーケット(WHOLE FOODS MARKET)などが撤退している。

一方、米百貨店サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FITH AVENUE)はサンフランシスコ店を予約制に切り替え、窃盗被害を抑えつつ営業を継続している。

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