ファッション

グッチ新CEO最初の決断は、サバト退任? 決算含めアナリストが今後を分析

有料会員限定記事

ケリング(KERING)が擁する「グッチ(GUCCI)」は2月6日、サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。サバトは、わずか2年でブランドを離れることとなった。ミラノ・ファッション・ウイーク期間中の25日に発表する2025-26年秋冬コレクションは、デザインチームが担当。後任については、いずれ発表するという。「グッチ」は今年1月1日付でステファノ・カンティーノ(Stefano Cantino)氏が最高経営責任者(CEO)に就任。マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)前CEOが据えたサバトと袂を分かち、「グッチ」の大改革をスタートする。11日に発表した24年度の通期決算によると、同ブランドは売上高が前期比23%減、営業利益は同50%減と大失速した。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月17日号からの抜粋です)

ケリングからの発表を受けて、サバトは自身のインスタグラム(Instagram)を更新。「情熱を持った、聡明で卓越した人々に支えられた。彼らには、『自分を信じて、どんなときも楽しいことを追求してほしい』とのメッセージを送りたい。いくら感謝しても足りないくらいだ」と感謝の思いを述べた。

サバト退任のニュースを受けて同日、ケリングの株価は前日に比べて5.1%上昇した251ユーロ90セント(約3万9296円)で取引を終えた。多少の驚きはあったものの、市場はサバトの退任をポジティブに受け止めたようだ。そしてケリングは11日、24年度の通期決算を発表。売上高は前期比12%減の171億9400万ユーロ(約2兆6822億円)、営業利益は同50%減の23億1200万ユーロ(約3606億円)、純利益は同62%減の11億3300万ユーロ(約1767億円)という大幅な減収減益だった。スターブランド「グッチ」の売上高が同23%減の76億5000万ユーロ(約1兆1934億円)と大幅なマイナス。同ブランドは23年度も売り上げを同5.9%落としており、22年度の規模に比べて7割まで縮小した。

フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)最高経営責任者(CEO)は、「非常にタフな1年だった。変革を加速しており、長期的にはブランドの体力や憧れを再度強化する方向に動き始めている」とコメント。一方「不断なき努力を継続することによって、ケリングは安定化の局面に差し掛かっている。再び、成長軌道に乗るだろう」と続け、会社の売り上げは下げ止まりつつあるとの認識を示した。ちなみに他のブランドは、「サンローラン(SAINT LAURENT)」が同9%減の28億8100万ユーロ(約4494億円)、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は唯一健闘して同4%増の17億1300万ユーロ(約2672億円)だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」などを含む「そのほかの部門」は、同8%減の32億2100万ユーロ(約5024億円)。ケリング アイウエア(KERING EYEWEAR)やケリング ボーテ(KERING BEAUTE)などを擁する部門は、フレグランスブランド「クリード(CREED)」の売り上げが計上されたことで同24%増の19億4100万ユーロ(約3027億円)と大幅に伸びた。

この続きを読むには…
残り1910⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

GUCCI x ファッションの記事

関連タグの最新記事

ファッションの最新記事

最新号紹介

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。