2025-26年秋冬コレクションサーキットが開幕しました。まずはメンズからのスタートで、イタリア・フィレンツェからミラノ、パリの3都市が続きます。「WWDJAPAN」は、大塚千践「WWDJAPAN」副編集長とパリ在住のライター井上エリ、そして藪野淳・欧州通信員の大阪出身“浪速トリオ”が現地でほぼ丸一日かけて総力取材します。注目ブランドのコレクション情報はもちろん、ショーの裏側やこぼれネタなど、愛のある正直リポートをお届けします。
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10:00 「ジュンヤ ワタナベ マン」
パリ4日目は、「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」のショーでスタートです。疲れを感じ始めるパリ後半戦は、数々のコラボレーションで刺激的な化学反応を起こす、同ブランドのクリエイションが気を引き締め直してくれるので、浪速トリオにとっては貴重な存在です。今季はどのようなアイテムが飛び出すのかを期待していたら、すでにショー会場内に答えがありました。会場となった廃墟ビルのコンクリートの壁に、アメリカ発アウトドアブランド「フィルソン(FILSON)」のポスターがずらり。「フィルソン」は、1897年にシアトルで創業した老舗です。“どうせ持つなら最上級のものを”というコンセプトのもと、一攫千金を狙うゴールドラッシュの労働者に向けて、実用的でタフなウエアを生産しています。同ブランドの「フィルソン」の質実剛健なスタイルは、今季の「ジュンヤ ワタナベ マン」によって現代的なアーバンウエアへと変貌を遂げました。
スタイルの中心は、「フィルソン」の代表モデルである、100%ヴァージンマッキノーウールのクルーザージャケットです。無地からバッファローチェック、タータンチェック、蛍光オレンジのツイル、ブラックのレザーやシアリングまで異なる生地で再考し、伝統的なウエアが新たに七変化。ワークウエアやミリタリーコートとのドッキングでシルエットを生まれ変わらせたり、パッチポケットをあしらったりと、実用性はそのままに独自のひねりを加えています。インナーに合わせるシャツとネクタイがアウターウエアの無骨さを中和し、「リーバイス(LEVI'S)」とのジーンズや「ニューバランス(NEW BALANCE)」とのスニーカーでアメカジ好きの物欲も刺激します。コラボシューズには、「ハインリッヒ ディンケラッカー(HEINRICH DINKELACKER)」とのボートシューズや、「パラブーツ(PARABOOT)」のマウンテンブーツのように、アウトドアからフォーマルまで異質なスタイルをミックスさせて、ハイパーマスキュリンな男性像を打ち出しました。
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